昨年5月にリコール点検を実施(下記リンク参照)し、一定腐食が認められることより取替修理が予定されていた関わるバスの入庫を先日行った。そして本日、掛かる作業に着手し始めたという報を受け、実況見分に出かけたレポートとして記してみる。
作業は予想された通りで、左右フロントサスペンションおよびステアリングリンケージ廻りを外し、取替となるセンターメンバー(ロワアームの取付支点となる部位)を酸素で粗切りしているところであった。粗切りは上部のフレームとの連続溶接とギリのところで行い、この後残部をサンダーで削り落として平滑にして(川重の件のごとく母材を削らないように注意しつつ)新部品を位置決め合わせして、欠陥のない連続溶接を行うという寸法だが結構大変な作業だ。
位置決めについては、メーカーから支給されたジグ(ロワアーム取付部2点とアッパーアーム取付部2点を位置決めする左右一対のジグ)を利用するのだそうだが、それだけでは不安で、各部位の実測寸法をメモして行われていることが伺えた。それは、もっともなところで、今回のセンターメンバーはロワアームの取付部位となるから、その寸法誤差は直ちに左右アライメントに影響してくるから、念には念を入れてのことだろう。
センターメンバーの板厚は5mmといったところの様で、水溜まりし易いセンターメンバー内部底面の腐食減肉もそれ程には生じていない様だ。何れにしても、寸法精度を確実に取って、熟練者が極力欠陥のない確実な連続溶接を行う必要があるのだろう。なお、溶接には、その姿勢により下向き、横向き、立ち向き、上向きとあるが、この順番で難易度が上がるそうだ。動かせるものなら、溶接部位を下向きにできる様にして行う訳だが、今回の様に動かせない場合は、難易度が上がっても対応しなければならない。今回の場合は、ほぼ横向きに近い部位が多いが、一部(前後端部など)は上向きに近い状態になると思える。
それにしても、片側サスAssyだけで、優に200kgは超えるだろう。モノも巨大だし、改めて大型系特有の大変さを感じるところだ。
ふそう大型バスリコール点検実施実施と作業工数に思う