私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

昔の旅人

2015-08-06 | 沼津そして伊豆周辺
 暑い日が続く今夏ですが、東海道たる国道1号線や下田街道たる国道414号線を駆け抜ける都度、江戸時代でもこんな暑い夏に、昔の旅人は全て徒歩で旅を続けたのだから、その苦労は並ではなかったろうと想像するのです。しかも、現在は峠に当たる部位はトンネルが掘られ貫通していますが、それもなく急登坂の峠越えです。大井川など大河川は橋もなく大雨で増水しようものなら何日も足止めを強いられるとう苦難の旅路です。徒歩で夜明けから日暮れ近くまで実働8時間近くを歩き続け、日当たり8里(32km・時速4km/h)という遅々たる速度です。今なら高速でなくとも平均40km/hは上回るでしょうし、高速ならその倍は行くでしょうし、新幹線なら5倍と加速する時代です。

 確かに現在は移動速度はアップし、一見便利な世になった様に思えますが、全てが人の幸福に帰しているのかと云うと疑問です。平均余命は確かに毎年伸びてはいます、しかし、そのことが人の幸福に直結する訳でもありません。地方の閑散とした商店街や伊豆半島など寂れた漁村を眺める時、往時は廻船船で栄え今より人口も多かったに違いないだろうし、時代は変遷しつつ栄華清秋だなどと思うのです。私の経験する時代60~70年代を振り返っても、我が街にはデパートが4軒も存在し、正月休みや夏期休暇など、近隣の住民も集まり大盛況だったのが、やがて閑古鳥の状態が続いた結果、今やデパートは消滅しました。そんな地方都市は多いのではないでしょうか。

 何がこの事態を引き起こしたのか、それを確たる要因として断定することはできませんが、文明の進歩が人間を幸福にすると巷では喧伝され信じられていますが、これは違うという思いを持たざるを得ません。

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