私の思いと技術的覚え書き

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クルマはラーメン構造?

2019-02-08 | 技術系情報
 クルマはラーメン構造であると聞いて、はてな?と思う方と、その通りと思う方に大別されるでしょう。正解はご存じの通り後者のラーメン構造が正解となります。ここでのラーメンとは志那そば(志那は差別発言であると中国では非難するがあえて記す)ではなく、Ramamとはドイツ語源の単語で、部材間が剛結合された構造を指すのです。

 このラーメン構造はクルマだけでなく建築物などの構造体にも使用されます。これと対局をなす構造体の代表としては、トラス構造があります。各部材が直線的な部材で三角形を単位とした構造で、その結合部はピンなどの滑接合となっているものです。

 ところで、クルマのボデーはモノコック(フランス語:一つの殻の意=応力外皮構造)と呼ばれることが多い訳ですが、クルマは各ドアやボンネットなど開口部が多く、航空機や潜水艦の様に純粋なモノコック構造は成立し得ないのです。あくまでフレームと一体化された一つのボデーという便宜的な呼称なのです。もし、正式に現代のフレームレス乗用車を正しく呼ぶとすればユニタイズドボデーとかビルトインフレーム構造と呼ぶべきもので、その部材間の結合は、ラーメン構造、すなわち剛結により成立しているのです。

 さて、ラーメン構造体では、各部材間が剛結されていますから外力を受けると、隣接した部材間を通じて力を伝え、構造体の広い範囲で抗力を生みだします。このことは逆に、隣接部材間を通して、損傷変形が波及することにも意識する必要があるところでしょう。

 このラーメン剛結ですが、結合面を恣意的に広げたり、いわゆる補強板(リンホースメント)たるパッチとかガセットという別部品を添えることも多用されるところです。似たような部品にスティフナーというものがありますが、これは主にボルトで結合されるエンジンとトランスミション間の下部を結合し、結合剛性を高める部材です。

※写真はR35のフロントボデーサイドの構造図を示します。R35ではストラットタワー部がアルミダイキャスト製ですが、これはR35に限らず、現代FR上級車で多用される構造となっています。これは、従来のプレス鋼板なら2枚、3枚と重ねて必要強度を得ていたものを、必要板厚をダイキャストで自由度を増すと共に、主にアッパアーム取付部位の寸法精度を高めるということにある様です。なお、鋼板製のサイドフレームとは接着材とリベットで結合され一体化され、この一体部品しか補給しないというものの様です。もう一つ、R35はトルクスプリット型4WDですが、フロントにもドライブシャフトがある訳ですが、現代FR車では2WDであっても、昔のFR車より高い位置にサイドフレームがあることは大きな設計思想の変化だと云えましょう。これはトヨタで云えば、初代セルシオ以降(1990)頃以降の変化ですが、フロントバンパー(バンパーリインホース)真裏からダッシュパネルに直線状にサイドフレームを配置し、クラッシュ特性の向上を求めたということの様です。




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