私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

既得権のこと

2008-03-17 | コラム

 既得権とは特定の個人や団体が既に得ている権益のことです。特に法令や制度によって保護されている場合にも使用されます。昨今、政治課題として云われる自由化やあらゆる改革の障害となるものです。政治家が既得権益者の利益代表となっていることも多いものです。
 企業で働く労働者にも、何らかの一定の既得権がある場合があります。しかし、これも近年の企業収益の圧迫から、経営者達は能力給等と云う名目で奪い去りつつあるのが実態です。
 では既得権とは総て悪であるのかというと、そうではないのだと思います。世に云う既得権には合理的なものと不合理なものとがあると感じます。この内、不合理な既得権は悪であり、社会的にマイナスの要素を持つといえるでしょう。

 私の仕事絡みを含みクルマの世界でのことを記して見ます。国産車と輸入車のことですが、その新車価格は、昔は輸入車は高嶺の華でした。しかし、円高の推移と共に、今や国産車と輸入車の価格は拮抗すべきまで接近して来ている場合が多く見られます。しかし、新車価格は同じでも、消耗部品や整備費等の維持費でまだまだ国産車と比べ割高に感じられる場合があります。
 特に顕著に感じられる維持修理費としてボデーリペアの費用があります。輸入車といえ部品価格は相当に国産車に近づいてきましたが、まだまだ高価な場合があります。しかも、ドイツ車等で米国でも輸入車扱いとなる米国ドル立て価格と、日本国内での輸入部品の設定価格を比べた場合、不条理な程の乖離を生じている場合があります。また、脱着、取替、板金、塗装等の工賃ですが、国産車とほとんど差異がない取り付け構造や塗装面積であっても、ずいぶんと輸入車のボデーリペア価格は高い場合があるのが現実です。これもインポーターや輸入車ディーラーの既得権なのでしょうが、輸入車の拡販とのせめぎ合いの中で、徐々に薄れて行く方向ではあるはずとは思います。


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