私の思いと技術的覚え書き

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続くディーゼル排ガス不正

2017-07-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 2年前にVWがエンジンECUに検査検出モードを内蔵し、検査時のみ排ガス浄化(主にNOx)を減少させ、一般走行時はドライバビリティや燃費優先として排ガス垂れ流しのクルマを作り販売したとして、米運輸省に摘発され、総額1兆円を超すかもしれないないというリコール問題に発展した。このことは、呆れるばかりの企業モラルの低下として永遠に忘れることはできない。こういう企業モラルの劣化だが、日本だったら三菱自動車なら(今後も何度も)平気でしでかすだろうし、またやらかしたかと冷酷に眺めるのだが、クルマの出来はともかく、一見愚直に生産していると感じた社風のVWが起こしたということに、当時ショックを受けたものである。

 そして、今回またダイムラーベンツが300万台を超える不正を生じ、回収するという報道だ。これには日本仕様も含まれるということだ。今回のダイムラーの問題が、VWみたいに欺瞞ECUまでを使い、検査モード検出をしていたのかまでは不明だが、企業モラルとして問題があったことは事実だろう。

 CO2削減(省燃費)などから、新型ディーゼルエンジンは増加しているが、如何にディーゼルの排ガス規制達成が難しいことかを示すことが背景にあるのだろう。ガソリンだったら、30年以上前にストイキ燃焼と三元触媒で、CO、HC、NOxはすべて浄化できた。しかし、ディーゼルの場合、NOxの浄化が難しい。EGRおよび尿素SCRによる減少を図るのが主だが、EGRをやたら多くすると燃費とドライバビリティが悪化する。尿素も多くし過ぎると、メインテンスコストが増え評判を落とす。もう一つ、ディーゼルの欠点としてPMの浄化がある。排気管にDPFという多孔質のセラミックフィルターを装着し、PMをトラップするのだが、どうしても汚損が進み詰まって来る。詰まりの検出機能を持ち、DPF浄化機能を働かせるのだが、その手間やオイルダイリューション(希釈)など弊害も多い。

 話は大型車などトラック、バスのことに進むが、大型車も昨年から今年に掛けて数十年ぶりのモデルチェンジを行いつつ、エンジンは更にダウンサイジング(小排気量化)され、最新のディーゼル規制および燃費基準に適合をアピールしている。しかし、思うに国内外の多くの自動車メーカーの起こす事件の多さを思うとき、本当にごまかしなくマジメにやってる企業(官庁すらも)は、あるのだろうかと疑心暗鬼にさせられるのだ。


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