これは一月程前に記した、関係する旅客運輸バスにおける発煙の続編となる今日の話だ。
クルマは2000年製造の日野セレガ(KC-RU1HB)であり、新車から17年経過し走行約50万kmというものだ。今や、古いクルマを根絶させようと、官僚やメーカーは、一緒になって増税したり排ガス規制したりと躍起だが、人間もだが車齢も高齢化しつつある。特に高額なバスは、昔からこの傾向は強く、新車から17年が異常に古いクルマという問題とは思えない。
当初の発煙は、車検整備の直後ということもあり、整備の瑕疵も眼中に種々の調査を行ったが、結果として原因を特定すべき問題は見いだせなかったのだ。ところが、今日の運行において、やはり駐車待機中に発煙を生じたという報を受けた。しかも、前回、車両側の問題だけでなく、道路左端の排水溝(グレーチング)など周辺環境にも注意する様知らせていたが、その様な環境はなく発煙したとのことであった。そして、どうやらアイドリングでの駐車待機中に、プレヒーター(予熱器)が動作している環境であったということが判った。
プレヒーター本体は、前回の発煙においても、異常はないことを確認している。しかし、その排気口付近までを含め明細に見ていなかったのだった。そして、今回の点検において、プレヒーター排気口の約20cm前方に垂れ下がり設置されているスプラッシュラバー(泥除けゴム)の下端に焼け焦げ溶損が認められた。なお、プレヒーター作動状態において、指感にて温度を確かめると、同排気口から円錐状に広がる排気熱は、当該焼け焦げ部付近においても、かなりの昇温が認められる。走行時は通風により排気口前方の昇温はないであろうが、車両停止時であれば、最悪は発火し車両火災の原因となりうるものと判断された。
原因としては、以下の様なものが想定される。
・スプラッシュラバーが、走行風などにより後方へ曲損し、排気口側に接近していたこと。
・排気口とスプラッシュラバーとの間には、排気熱を後方へ導くエアガイドが設置されているが、そのサイズ(幅と高さ)が小さ過ぎること。
・排気口はやや後方に傾けられてはいるものの、ほとんど垂直に近く、45度程度エルボ状に加工されたものが望ましい。
今回の対策については、取りあえず応急的に、エアガイドの後傾を強め、スプラッシュラバーの曲損を直すことで行った。但し、あくまでも応急的な対応であり、修理工場との打ち合わせを行いつつ、スプラッシュラバーへの断熱板の装着や、エアガイドの大型化など、根本的対策を行う予定である。
なお、本件不具合は、類似のセレガ(9&12mバス)において、車両火災の要因として生じ易い構造的な問題を内在していると思える。
※プレヒーター
燃焼式のヒーター(暖房の石油ファンヒーターと同様の原理)で冷却水を直接的に昇温する機構。大型バスでは、ヒーター配管の長大化などにより、寒冷時のエンジン始動後の昇温が非常に悪い。つまり、客室の暖房が困難となりがち。このプレヒート機能により、昇温を早めている。なお、燃焼排気ガスは排気管と同様に外部に放出されるが、その排熱温度は、結構に高温に感じられる。
クルマは2000年製造の日野セレガ(KC-RU1HB)であり、新車から17年経過し走行約50万kmというものだ。今や、古いクルマを根絶させようと、官僚やメーカーは、一緒になって増税したり排ガス規制したりと躍起だが、人間もだが車齢も高齢化しつつある。特に高額なバスは、昔からこの傾向は強く、新車から17年が異常に古いクルマという問題とは思えない。
当初の発煙は、車検整備の直後ということもあり、整備の瑕疵も眼中に種々の調査を行ったが、結果として原因を特定すべき問題は見いだせなかったのだ。ところが、今日の運行において、やはり駐車待機中に発煙を生じたという報を受けた。しかも、前回、車両側の問題だけでなく、道路左端の排水溝(グレーチング)など周辺環境にも注意する様知らせていたが、その様な環境はなく発煙したとのことであった。そして、どうやらアイドリングでの駐車待機中に、プレヒーター(予熱器)が動作している環境であったということが判った。
プレヒーター本体は、前回の発煙においても、異常はないことを確認している。しかし、その排気口付近までを含め明細に見ていなかったのだった。そして、今回の点検において、プレヒーター排気口の約20cm前方に垂れ下がり設置されているスプラッシュラバー(泥除けゴム)の下端に焼け焦げ溶損が認められた。なお、プレヒーター作動状態において、指感にて温度を確かめると、同排気口から円錐状に広がる排気熱は、当該焼け焦げ部付近においても、かなりの昇温が認められる。走行時は通風により排気口前方の昇温はないであろうが、車両停止時であれば、最悪は発火し車両火災の原因となりうるものと判断された。
原因としては、以下の様なものが想定される。
・スプラッシュラバーが、走行風などにより後方へ曲損し、排気口側に接近していたこと。
・排気口とスプラッシュラバーとの間には、排気熱を後方へ導くエアガイドが設置されているが、そのサイズ(幅と高さ)が小さ過ぎること。
・排気口はやや後方に傾けられてはいるものの、ほとんど垂直に近く、45度程度エルボ状に加工されたものが望ましい。
今回の対策については、取りあえず応急的に、エアガイドの後傾を強め、スプラッシュラバーの曲損を直すことで行った。但し、あくまでも応急的な対応であり、修理工場との打ち合わせを行いつつ、スプラッシュラバーへの断熱板の装着や、エアガイドの大型化など、根本的対策を行う予定である。
なお、本件不具合は、類似のセレガ(9&12mバス)において、車両火災の要因として生じ易い構造的な問題を内在していると思える。
※プレヒーター
燃焼式のヒーター(暖房の石油ファンヒーターと同様の原理)で冷却水を直接的に昇温する機構。大型バスでは、ヒーター配管の長大化などにより、寒冷時のエンジン始動後の昇温が非常に悪い。つまり、客室の暖房が困難となりがち。このプレヒート機能により、昇温を早めている。なお、燃焼排気ガスは排気管と同様に外部に放出されるが、その排熱温度は、結構に高温に感じられる。