私の思いと技術的覚え書き

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BMW車のホース締結を思う

2016-01-19 | 車両修理関連
 BMW車のエンジンに多用されているラジエータホースなどのワンタッチクリップ締結だが、その部分の後ろにホースバンドがあったりと随分無駄なコストを掛けているとも感じるものです。この採用は3シリーズでいえばE46以降からだと思います。フロントエンドパネル(コアサポート)に関係する付属品(ライトやラジ・コンなど)を付けたサブAssyを生産ラインで本体に合体させ易くするというのが主たる目的と想像されます。

 確かに付けるのは押し付けるだけでパチッと勘合し、内部Oリングで水密も問題は生じないものです。しかし、外す際はロックピンをアンロック位置(もしくは外してしまう)にして、揺すっても引っ張ってもなかなか勘合が緩まず往生するものです。だいたいが、根元の樹脂部を割損しないように注意して大きめのマイナスドライバー等でこじて浮かせて取るということになります。ラジエータホースなどの補給部品もホースだけでなくOリングが内蔵されたカップリング付きとなりますから、割高な傾向が伺えます。

 それと、E90以降のN系エンジンで感じるのですが、なんであんなにホースを複雑とも感じる程に多用するのかと思っています。一つはシリンダーヘッド、ブロックの上下で、水温をある程度制御したいという配慮からなのだと想像しますが、ホースでなくブロックやヘッドの水路でできんものかなとも思うのです。何れにしてもラバーホースは経年劣化から寿命を迎えるものですし、必用最小限の範囲で使用するのが妥当な考え方とも思うのですが。

 しかし、今から数十年前の冷却水ホースは、4年毎の定期交換部品に指定されていた位で、6年もすると良く破れて水漏れオーバーヒートが起こったものでした。しかし、現在のラバーホースは10年を経ても硬化は感じられるものの亀裂などを観察することは少なくなったと思えます。但し、前にも記した覚えがありますが、冷却効率と熱効率(燃費)を向上させる目的からでしょうか、水温が昔より高め(従来80°Cが90°C程度)に設定され、従ってキャップの開弁圧も高めになっている様です。このことは、ホースへの負担も大きくなるが、実態としてラジエータのアッパータンク樹脂の強度劣化からタンクが破裂する(E36系に多発)なんていう現象を引き起こしているのでしょう。


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