私の思いと技術的覚え書き

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クルマの燈火関係に思うこと

2017-02-08 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 写真は今日の前方走行車(高所作業車)である。数百メートル程、後方を追尾したが、最初は「なんだ、このクルマ左テールランプが付いてないじゃないか!」と驚いた。しかし、信号待ちで直後に停止して、その理由が判った。すなわち、高所作業機構のメイン操作スイッチボックスが左後部に付いているが、そのカバーが開放(下ヒンジで下方に垂れ下がり)され、左テールランプが隠されているというものだ。つまり、作業終了後にスイッチボックスカバーを閉め忘れ、走行しているものだが、これは、道路運送車両法の保安基準に抵触するものであり、明らかに違反行為となる。

 しかし、思うのは、電設工事用の高所作業車は、非常に凝った仕組みで作動するし、各種安全機構も取り入れられているハズだ。それが、こんな基本的な走行において、違反および事故の危険を生じさせてしまうというのは、「何処か抜けてるんじゃないか、アイチの設計者さんよ」と思わずにいられないのだ。つまり、当該カバー閉じのインターロック装置が、欠落してるんじゃないのかということだ。
 ついでに、前々から感じている燈火関係のことについて、以下幾つか感じることを上げてみる。

①ヘッドライトだが、最近のクルマはHID(キセノン)や高輝度LEDと明るい光源と、プロジェクター方式でレンズでリフレクターの反射光を一定角度に収束させており、明るくて対向車に対する幻惑も少なく雨中での透視性も良いとメリットを感じるところだ。但し、特に左右方向の広がりが少なく、低中速のタイトコーナーが続く山岳ワインディング路では、カーブで先が見えないという問題がある。この解決として補助前照灯(フォグランプ)を付けるのだが、メーカー純正のものは、ほとんどライトとして価値が感じられないほどの低照度で、これじゃポジションランプじゃないかとすら思うのだ。

②フォグランプの低照度だが、ハロゲンバルブ自体は良くても、リフレクターが小さすぎるということが一番の要因だろう。そして、これは外観デザインおよびコスト重視が招いたものだろう。ついでに記すが、改造などで、純正フォグランプボデーにHIDを組み込んでいると思われる車両があり、その一部に対向車に非常に幻惑を与える迷惑なクルマがあることを、多くの方が経験しているだろう。追記しておきたいが、ハロゲンもバルブのガラス表面はかなり高温となるが、HIDバーナー(バルブ相等品)は、もっと高温となる。だから、HID方式の純正ヘッドライトでは、リフレクターは金属でプロジェクターレンズはガラス製となっている。ハロゲン式なら、これらはすべて樹脂製となる。当然、フォグランプはバルブ以外はすべて樹脂製だから、こういう中身にHIDを組み込めば、ランプの溶損程度で済めば良い方で、最悪は車両火災の恐れを想定する。

③フラッシャーランプだが、前も後ろもある問題だが、どちらかというと前部で多いと感じられるが、点滅が視認し難いクルマが増えている様に感じられる。その一つとして想定される理由だが、これも外観デザインおよびコスト重視が招いた問題だろうが、ヘッドランプユニット内にフラッシャーランプを組み込んだクルマが増えたことと無関係ではないだろう。つまり、大光量の発光する至近に、小光量のフラッシャーが点滅しても見難いのは当然の帰結とも思うのだが。しかし、昼間のヘッドライトOFF状態でも、フラッシャーランプがヘッドランプカバーの内側奥にあったりして、表面反射光で見え難いクルマもあったりという事例もある。後部のリヤコンビネーションランプでも、特にデザイン重視だけを狙ったホワイトレンズ仕様みたいなクルマの中に、類似の問題を感じるクルマがある。これらは、何れも型式指定の取得において、道路運送車両法の保安基準で規定された要件は満たしているのだろう。


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