整備白書R4年より その2
整備白書R4年版その2として、今回添付したのは1工場当たりの整備内容別(車検、定期点検、事故整備、その他の4区分)の平均入庫台数の表だが、R4年(2022)とそれ以前2年の通算3年分として編集し添付する。
同表については、車検整備、定期点検、事故車修理、その他の4区分で集計されるが、件数値より前年対比率で見た場合、事故車修理で特徴的な傾向が見られることに気づく。すなわち、工場業態全体で、R2年、R3年と対前年比▲10%近くまで低下(ディーラーに限ってはR2▲13%、R3▲21%とさらに著しい)したのだが、R4年では▲1%(ディーラーは+10%)と回復したが、それでも件数的はR2年の平均件数には戻っていないというところに注目したい。
この現象をどう見るかだが、この整備白書のメタデータは、前年データを翌年に集計したものであるから、コロナパンデミックが発生したのはR2年だが集計表のR2年はその前年R1年データだから、これにはコロナの影響はないことになっている。そこで既にコロナ発生前年には事故車入庫はマイナス傾向を示していたことになる。
事故の発生は様々な理由があるのだが、別途の警察統計などでよく使われる走行距離当りの事故件数とか事故率などを見ても、人流というか車両の稼働が第1要因で、クルマが動けば事故が増えるということがある。この人流にもっとも影響を与えるのが景気動向とか燃料価格、それとコロナパンデミックなどの移動自粛だったのだが、R3年のコロナの発生年の人流低下は判るが、その前年には既に事故車整備の低下傾向が出ていたということが判る。
なお、人の記憶は薄れることで政治家は救われているのだが、コロナ発生前年2019年10月には消費税10%への値上げがあって、切り良い数値で消費税の高額さが実感できることから、さほど騒がれていないが、消費の抑制効果は翌年以降の消費にかなりの影響を与えていると見るべきだろう。
それと、事故車に関しては、新型車は2021年11月の新車より(輸入車は2024年7月)、継続生産車は2026年7月(計貨物は2027年9月)と自動ブレーキの装着義務化が始まっているが、それ以前に装着している車種も増加している。
この自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)はまだまだ信頼性に不安はあるものの、決して無価値ではなく、単純な追突事故など低減効果は大きいはずだ。また、この装備車は、比較的新しい車両に多いということから、入庫車に占める新しい車両の占有率が高いと想定できるディーラーへの影響は高いと見るべきだろう。
ただ、R4年データとして実質はR3年データでは、業態全体としては▲1%とほぼ戻しているが、ディーラーは+10%と改善しているが、それ以外が▲5%程度となっていることは気に掛かるところだ。日整連データなので、分解整備事業(今や特定整備事業が正式名称)以外の板金業はデータに含まれないが、このディーラー以外に準じているだろうと想像できる。
事故車以外の車検や点検などでは、概ねすべて微減や微増という変化をしているが。これは、コロナショックもあるが景気というか所得の停滞もしくは減少により、新車もしくは中古への乗り換えを抑制し、継続検査となっていることを示すものだろう。なお、自販連統計によれば、現在約8千2百万台の自動車保有台数があるが、平均使用年数は毎年微増し続けており、乗用車で既に13年を超えている。また、商用車は15年超となっている。
なお、分解整備事業者は既に特定整備と名称が変更になっており、2021年10月より定期点検にも特定整備の項目が入って来ている。また、2021年10月以降の新車が初回車検を受けることになる2024年10月よりOBD車検の実施もなされるので、未だ特定整備認証を取得していない場合は、事業を続けるなら早く取得しておかなければならないだろう。そもそも、フロントバンパーを外しただけで、ミリ波レーダーの位置に影響を与える場合は、特定整備認証を受けた工場でないと、それは分解整備に該当し、未認証工場でやったことにしておくのは、法令違反となるのはご存じの通りだ。
なお、拙人に云わせりゃ、こんな特定整備なんてものを作り認証資格まで作ってしまったのだが、正しい方向だったのかといえば大きな異論を持つ。しかし、すでに法は成立しており違法行為を繰り返すことは、不正車検だけでなく不正整備という咎めを受けることになるので認証資格を充足させておくのは必達だろう。なお、当初の認証には、ターゲットだとかOBDスキャナなどが必要となるが、現状では最小限の投資で済むものをお薦めしたい。決して、工具屋などの売らんか商売に騙されないことと、このADASは過渡期のものであり、エーミングにしても厳格に合わせなさいという車両は既に過去世代のものだ。最新型は、オートエーミング機能が搭載され、一定速が出せる外側線と区分線がある直線路を一定距離(数百m)走行すれば、エーミングは完了するのだ。
整備白書R4年版その2として、今回添付したのは1工場当たりの整備内容別(車検、定期点検、事故整備、その他の4区分)の平均入庫台数の表だが、R4年(2022)とそれ以前2年の通算3年分として編集し添付する。
同表については、車検整備、定期点検、事故車修理、その他の4区分で集計されるが、件数値より前年対比率で見た場合、事故車修理で特徴的な傾向が見られることに気づく。すなわち、工場業態全体で、R2年、R3年と対前年比▲10%近くまで低下(ディーラーに限ってはR2▲13%、R3▲21%とさらに著しい)したのだが、R4年では▲1%(ディーラーは+10%)と回復したが、それでも件数的はR2年の平均件数には戻っていないというところに注目したい。
この現象をどう見るかだが、この整備白書のメタデータは、前年データを翌年に集計したものであるから、コロナパンデミックが発生したのはR2年だが集計表のR2年はその前年R1年データだから、これにはコロナの影響はないことになっている。そこで既にコロナ発生前年には事故車入庫はマイナス傾向を示していたことになる。
事故の発生は様々な理由があるのだが、別途の警察統計などでよく使われる走行距離当りの事故件数とか事故率などを見ても、人流というか車両の稼働が第1要因で、クルマが動けば事故が増えるということがある。この人流にもっとも影響を与えるのが景気動向とか燃料価格、それとコロナパンデミックなどの移動自粛だったのだが、R3年のコロナの発生年の人流低下は判るが、その前年には既に事故車整備の低下傾向が出ていたということが判る。
なお、人の記憶は薄れることで政治家は救われているのだが、コロナ発生前年2019年10月には消費税10%への値上げがあって、切り良い数値で消費税の高額さが実感できることから、さほど騒がれていないが、消費の抑制効果は翌年以降の消費にかなりの影響を与えていると見るべきだろう。
それと、事故車に関しては、新型車は2021年11月の新車より(輸入車は2024年7月)、継続生産車は2026年7月(計貨物は2027年9月)と自動ブレーキの装着義務化が始まっているが、それ以前に装着している車種も増加している。
この自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)はまだまだ信頼性に不安はあるものの、決して無価値ではなく、単純な追突事故など低減効果は大きいはずだ。また、この装備車は、比較的新しい車両に多いということから、入庫車に占める新しい車両の占有率が高いと想定できるディーラーへの影響は高いと見るべきだろう。
ただ、R4年データとして実質はR3年データでは、業態全体としては▲1%とほぼ戻しているが、ディーラーは+10%と改善しているが、それ以外が▲5%程度となっていることは気に掛かるところだ。日整連データなので、分解整備事業(今や特定整備事業が正式名称)以外の板金業はデータに含まれないが、このディーラー以外に準じているだろうと想像できる。
事故車以外の車検や点検などでは、概ねすべて微減や微増という変化をしているが。これは、コロナショックもあるが景気というか所得の停滞もしくは減少により、新車もしくは中古への乗り換えを抑制し、継続検査となっていることを示すものだろう。なお、自販連統計によれば、現在約8千2百万台の自動車保有台数があるが、平均使用年数は毎年微増し続けており、乗用車で既に13年を超えている。また、商用車は15年超となっている。
なお、分解整備事業者は既に特定整備と名称が変更になっており、2021年10月より定期点検にも特定整備の項目が入って来ている。また、2021年10月以降の新車が初回車検を受けることになる2024年10月よりOBD車検の実施もなされるので、未だ特定整備認証を取得していない場合は、事業を続けるなら早く取得しておかなければならないだろう。そもそも、フロントバンパーを外しただけで、ミリ波レーダーの位置に影響を与える場合は、特定整備認証を受けた工場でないと、それは分解整備に該当し、未認証工場でやったことにしておくのは、法令違反となるのはご存じの通りだ。
なお、拙人に云わせりゃ、こんな特定整備なんてものを作り認証資格まで作ってしまったのだが、正しい方向だったのかといえば大きな異論を持つ。しかし、すでに法は成立しており違法行為を繰り返すことは、不正車検だけでなく不正整備という咎めを受けることになるので認証資格を充足させておくのは必達だろう。なお、当初の認証には、ターゲットだとかOBDスキャナなどが必要となるが、現状では最小限の投資で済むものをお薦めしたい。決して、工具屋などの売らんか商売に騙されないことと、このADASは過渡期のものであり、エーミングにしても厳格に合わせなさいという車両は既に過去世代のものだ。最新型は、オートエーミング機能が搭載され、一定速が出せる外側線と区分線がある直線路を一定距離(数百m)走行すれば、エーミングは完了するのだ。