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現代の個人的貴金属鉱山業?

2021-07-13 | 事故と事件
現代の個人的貴金属鉱山業?
 ちょっと以前から、公共施設のステンレス部品とか、電線に使われる銅線が盗まれるという犯罪の報に接することはあったが、今度はクルマの触媒を盗む事例が増えているという話しだ。

 触媒には、白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属が、金属材料表面にメッキ処理して微量に使われているのだが、やはり製造原価はそれなりに高価になるらしく、新品小売価格は20万円以上する場合もめずらしくない。

 拙人がよく訪れる金属リサイクル業社(いわゆる自動車解体業)でも、コンバータは別のバスケットに集積しており、これだけをそれなりの扱い業社に売却していることが伺われる。

 ところで、プリウスがよく狙われると云うのは、構造的な問題にもありそうだ。つまり、最近のエンジンでは、冷間始動直後の触媒活性化を早める目的で、排気マニホールド一体式の触媒コンバーターを見る機会が増えているが、これだと触媒を盗もうとした場合の作業工数は、結構要するだろう。

 ところが、プリウス20および30のパーツリストを調べてみると、触媒コンバーターは、何れもフロントエキゾーストパイプとして、車両下部に潜り込めれば、前後の2本づつのボルト締結と吊りOリング2カ所を外すだけで済むから、2人組でパンタグラフジャッキ2つを使用して、ものの10分もあれば外して持ち去ることが出来るだろう。

 同部品は長さ2m弱あるので、セダンタイプの乗用車だとちょっと苦しいが、ワゴン車だとかバンタイプのクルマなら速やかに搭載可能だろう。

 これらの貴金属は、鉱山において大量の掘り出し土中から、多大の手間暇掛けて抽出生成するから、高いコストになるのだが、予め集積した部品を盗めば、およそ鉄などの普及金属に比べれば金になると云うことだろう。つまり、現代の個人的な貴金属鉱山業といえる犯行だ。

 ただし、盗んだコンバーターから貴金属だけを抽出するのは、高温バーナーで加温すれば済む話しではなく、それなりの専門機械を保有した特殊な業社でしか出来ないことだろう。この辺りから、そういう業社にGメンを配置し、探索すれば捕まりそうに思えるのだが・・・。



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なぜトヨタ「プリウス」は狙われる? 日本人気の影であえてプリウスを盗難する世界的理由とは
7/13(火) 7:10配信 くるまのニュース

アメリカやイギリスでとくに多いトヨタ「プリウス」の被害、なぜ?
 盗難されやすいクルマとしてトヨタ「プリウス」が有名ですが、実は日本だけではなく世界中でプリウスの盗難被害が多発しているといいます。

中略  

 しかし、プリウスが盗難される例が多い理由はほかにもあります。

 日本で盗難されたクルマはそのほとんどが、解体されて部品として海外に持ち出されています。

 完成車での輸出は「輸出の届出」が必要となり、ナンバープレートの返却や輸出抹消登録などが義務付けられているので、バラバラにしてコンテナに押し込んで部品として海外に密輸するというわけです。

 プリウスやランドクルーザーなど海外でも数多く走っているクルマの場合は中古補修部品としてアフターマーケットにおける需要が高いのです。

 昨今それらの部品のなかでもとくに高値で取引されている部品のひとつに「触媒コンバーター」(Catalytic converter)があります。

 触媒コンバーターとは、排気ガスに含まれる環境や人体に悪影響を及ぼす汚染物資を酸化・還元反応によって浄化する装置です。

 クルマの排気系統に取り付けられる装置で排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)の3物質を浄化します。

 この触媒には高額な白金、パラジウム、ロジウムが使用されており、2020年以降は世界的に価格が高騰しています。

 アメリカやイギリスでも盗難が急増している部品でとくに、プリウスに代表される日本製ハイブリッド車が狙われているのです。

 触媒コンバーターはクルマの下にもぐって接続部品をカットすればものの数分で盗むことが可能なため「盗みやすくて価格が高い」コスパが良い部品ともいえます。

 アメリカでの盗難事情について、ロサンゼルス近郊に住むA氏は次のように話しています。

「今アメリカで一番大きい出来事は触媒コンバーターの窃盗です。

 1番人気はプリウスの触媒コンバーターで家の前に停めていても盗まれてしまう事件が多発しています。

 非常に高価な部品(20万円から30万円)の為に盗まれてしまったら一大事です。

 夜間、家の前に停めていたクルマから触媒コンバーターだけを外して盗む例が多発しています。一晩で近隣のハイブリッド車が軒並み被害にあった地域もあります」
なぜ? 日本製ハイブリッド車が狙われる?
 アメリカだけではなくイギリスでも触媒コンバーターの盗難は急増しています。

 ロンドン警視庁の自動車犯罪対策チームによると、2019年にロンドンで9500件だった触媒コンバーターの盗難は、2020年に約1万5000件にまで急増。ロンドン以外のほかの警察も触媒コンバーターの盗難増加を報告しています。

 英国チューリッヒ保険によると2019年からの2年間で触媒コンバーターの請求が450%も増加しており、盗難保険金請求の約8割がトヨタ、レクサス、ホンダのハイブリッド車に対するものだったと公表しています。

 ほとんどはクルマが自宅近くの道路や駐車場に停まっているときに発生していますが、オーナーが買い物中のスーパーマーケット駐車場で盗まれる例も多くあるようです。

複雑かつ高価なパーツで構成されるトヨタ「プリウス(現行型)」

 ところで高価な金属が使われる三元触媒は1990年代以降生産されたほとんどのガソリン車に装備されていますが、なぜ、プリウスに代表される(とくに古い世代の)ハイブリッド車が多く狙われるのでしょうか。

 大きく理由はふたつ挙げられます。

 1. 古い世代の触媒にはより多くの高価なパラジウムやロジウムなどの貴金属が含まれる。

 2. 電気モーターとガソリンのふたつの動力源を備えているため触媒コンバーターが汚染物資の処理に使用される頻度が低い(=触媒の内部にある金属が腐食する可能性が低くなり価値が高まる)

 英国トヨタでは公式サイトにおいて、次のように注意喚起しています。

「貴金属の含有量が高い第2世代(2004年から2009年)と第3世代(2009年から2016年)のプリウス、第2世代の「オーリスハイブリッド(2012年から2018年)が標的になりやすい。

 新しいハイブリッド車の触媒コンバーターでは貴金属の量を最大84%削減しているため、新型ヤリスなどは盗難リスクが低い」

 注意喚起以外にも、英国トヨタを含む海外の日本車ブランドでは、メーカーによる触媒盗難防止活動を積極的に展開しておりCatlocという保護装置や盗まれた触媒の行方が追跡できるシステムなどを導入しています。

※ ※ ※

 ちなみに、車両本体が駐車場からなくなればすぐにわかりますが、触媒コンバーターを外されたクルマはパッと見たところでは気づきにくいという難点があります。

 触媒コンバーターを盗まれたクルマの場合、エンジンをかけるとO2センサー異常でエンジンチェックランプが付くのと、何よりも排気音が爆音になるためそこで初めて異変に気づく人が多いようです。

 外出自粛でクルマに乗る機会が減っており、盗まれたことに気づくまで数日かかるという状況も触媒コンバーターの盗難が世界的に増える理由のひとつかもしれません。
出典URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/b02ce1c8582bd9c6bcd7c1e6c2037122b22e8113?page=1


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