私の思いと技術的覚え書き

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ヤフオクで見る「Ferarri Testarossa Engine」by Transmission included

2021-05-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 日頃からヤフオクはよく利用するオークションだが、買う、売るだけでなく、日頃見る機会の少ない稀少車の様々な事故車の損傷形態だとか部品の状態を関心深く眺めることも多く、好学的にも面白いメディアの一つとも感じている。

 その様な中、今日感心深く見たのは「Ferarri Testarossa Engine」by Transmission included」という状態での出品だ。フェラーリ往年の最上級MR車は、365GTB/4 BB → 512BB → テスタロッサ という系譜となることは、エンスーな皆様なら既知のことだろう。

 さて、この出品者がけっこう力を込めて撮影したと想像される7枚のエンジン写真だが、メカ好きの関心をそそるものがあるとは私見だが、以下に私見としての注目ポイントを列記してみたい。

①エンジン外形上は水平対向も180度Vもほとんど差異はない訳だが、調べてみるとやはりの感を持つが、このテスタロッサのエンジンも180度Vとして水平対向形状を得ている。総排気量約5L、最大出力390PS/6,300rpm、最大トルク50kg/4,500rpmが当時のスペックの様だ。

②前面視から、動弁機構の駆動はタイミングベルト方式だと判る。また、外部に付属する補機として、オールタネーターとクーラーコンプレッサーの2つだけだ。と云うことは、ウォーターポンプはタイミングベルトケース内にあり、同ベルトで駆動しているのだろう。また、パワーステアリング用のベーンポンプがない。未だEPSなど出ていない時代だから、車重1,500kgを越える同車だが、パワステなしということだろう。

③上面視から、左右の給気サージタンクの間に、左右バンクで独立したボッシュKジェトロニックの噴射ポンプが配置される。このKジェトロニックは機械式だが、マスフロー方式に分類される、すなわち吸入吸気量をメジャリングして噴射量を変える仕様となっている。おそらく、分配噴射ポンプに隣接する黒いケース内にエアフローで開閉するメジャリングプレートがあり、そこと噴射用プランジャとかリンクされ、吸入空気量に応じた噴射量になる仕組みだろう。なお、補足するが、Kジェトニックは、他の電子制御EFI等が吸入行程において、断続噴射するのに対し、連続噴射しているので、噴射タイミングという概念は余りない。もっとも、減速時など、スロットルバルブを全閉にすれば吸入空気も閉じられるから噴射は途切れる訳だが。

④後面視から、クラッチ機構内蔵のベルハウジングあって、その後ろにTMがない。ベルハウジング後端に下に伸びる(おそらくギヤトレイン)の機構が見える。と云うことは、エンジン下にTMケースがあるということなのだ。

⑤側面視から、赤いヘッドカバーも良いし、インテークマニホールド+サージタンクの形も良い。現代車なら、この辺りのパーツは樹脂部品で作り、不細工をエンジンカバーで覆い隠すのが流儀となったが、古き良き時代だと改めて感じる。デストリビューターは左右バンクで独立してカム軸後端で駆動される。排気マニホールドは、カバーリング処理されているので、鋳造品なのかパイプ組み立てなのか判らないが、おそらく前者の鋳造品だろう。ただし、排気は3in1で集合され、エンジン後端で4本にまとめられている。なお、各排気マニの集合部上流位置にタイトボルト(盲フタ)が見えるが、点検調整時にCOメーターを入れミクスチャ(空燃比)の妥当性をチェックするためのものだろう。
 エンジン下部のTMが僅かに見える。後端よりに、左右ドライブシャフトが勘合するアウトプット部が見える。

⑥相対的に、このエンジン&トランスアクスル一体は、4点マウントだと判る。なお、同部品で重量は如何ほどになるのだろうか? 300~400kgあるのかもしれない。









 と云うことで、ヤフオクの出品ページで、上手く撮影してある写真は、非常に勉強になるというと大げさだろうか。

 ちなみに拙もヤフオクには常時150点近い出品をしているのだが、およそ8割方がBMWミニ(R50、R56系)のパーツだ。関心ある方は、下記リンクから見て戴きたい。
https://auctions.yahoo.co.jp/seller/wiseman410

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