私の思いと技術的覚え書き

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鞍型燃料タンクの弱点

2016-02-29 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ガソリンスタンドで燃料を入れる際、セルフでも同様ですが慣れているスタンドマンでも、「ハイ、満タン入りました!」って言っても、燃料ゲージが全然満タンでないことが時々あるものです。俗に言う「入りの悪いクルマ」という奴ですが、だいたいこういうクルマは、FRのプロペラシャフトを避けるために鞍型形状となった燃料タンクのクルマが多いのだと思えます。

 その昔のFRのクルマは、燃料タンクがトランク床下に付いていたのですが、安全性からリヤシート床下に移動されました。そのため、デフに接続されるプロペラシャフトを避けるため、中央部が薄くなり左右が垂れ下がった、いわゆる鞍型形状のタンクとなっています。鞍型形状タンクでは、鞍型の一方に燃料ポンプが内蔵され、燃料をエンジンに圧送しています。そして、余剰の燃料はリターンパイプを通って、燃料ポンプとは反対側の鞍型へ戻る様になっており、燃料が少なくなっても左右の鞍型のバイレベルを保つ仕組みとなっています。

 ところで、ガソリンスタンドで給油の際は、給油キャップは鞍型の一方へ入りますが、タンクの上方まで給油されると左右の連通部を通して完全満タンになるのです。しかし、連通部の形状だとか、スタンドの床に左右の傾斜があったりすると、片側だけが満タンでその反対側が満タンでないにも関わらず、満タン様の吹き返す現象が生じることがあるのです。同一車両を同一スタンドで給油を繰り返した場合に、給油機の位置で差異が生じることも経験します。

 こういうことは、フラットなタンク形状のFF車とかワンボックスやトラックでは、まず起こることは少ないのでしょう。但し、ディーゼルの軽油は別のことで満タンになり難いことが知られています。すなわち、軽油が泡立ちやすく、この気泡をセンサーが検出して満タンと誤認する場合があることです。


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