今回の事例では、修理費のことではなく、過失割合の争いについての事例を紹介してみます。
具体的には、損保間の過失割合事案において、過失割合および時価額の争いから、その後相手損保で弁護士を入れる対応に移行したものです。
しかし、私は都合20数年のアジャスターとしての活動の中で、今回の紹介案件の様に相手方から弁護士を代理人に立てられると云う案件が何度かありますが、そのほとんどは対保険会社の場合なのです。何で、保険会社というのは、この様に依存体質が強いのかと、呆れる思いを持たざるを得ません。
最も、相手が代理人として弁護士を立てて来ると云うのは、実はありがたいことなのだと思っています。大概の弁護士が、真実を追究して解決しよう等と云う真剣さは希薄であり、お互いの主張の中間値(中を取ってというもの)での妥結が速やかに進むからなのです。
それでは、対応概要を以下に紹介します。
1.事故概要
事 故 日:平成12年3月21日午後11時30分頃
事故場所:**************
契 約 者:K 23才
**57た**** パルサー H1年式
相 手 方:M 29才
**300さ*** ランドクルーザープラド H10年式
事故概要:路外出の契と国道走行中の相手が衝突する事故
損 害 額:双方車両共に明かな全損状態である。
なお、相手車の時価は217万円(レッドブック)
そ の 他:双方に飲酒あり。相手は車両保険の付保があるが、
飲酒事実より相手方保険会社では支払いが拒否された。
2.対応の経緯概要
①双方車両の損害状態
? 損傷状態は写真(別添資料1)の通りであるが、相手車はエンジンが後退し、プロペラシャフトに曲損を生じているような大損傷であり、契約車両も極めて大きな損傷であった。幾ら相手車が国道走行としても相当にスピードが出ていたことが伺われる損傷状態であると判断した。
②相手者からの状況聴取
契約者は事故時、全身打撲等の重傷を負い約2ヶ月間入院した。事故時の記憶はほとんどない。相手者より事故時の速度などを聴取するも、速度50km/h程度で走行していたとのこと。
③相手方損保との折衝
相手方損保**火災アジャスターと過失割合等の折衝を進める。当方の意見としては損傷状態が大きいことから相手方の速度修正として20%を要請した。これに対し、**火災側では自社車両が免責になったこともあり、契約者の意向として受け入れに難色を示したのである。速度修正については、当方として10%まで譲歩する案を示したが、相手方は逆に当方提示の時価額(レッドブック値)が不満などと言い出し、交渉は膠着状態に陥った。
④当方意見書の送付
先に述べた通り交渉が膠着状態に陥り、事態打開および以下のような目的を持って当方意見書(別添資料2)を作成し相手方に送付した。
・当方の速度修正要請に関わる根拠の表明すること。
・今後の調停等に備える当方の決意を示すこと。
⑤弁護士の委任
**火災アジャスターより突然のように弁護士委任の対応として進めるとの通告を受けた。数日後契約者宅に郵送された弁護士の受任通知書(別添資料3)を受け取った。
⑥弁護士との折衝と決着
介入弁護士のと折衝は電話で2回行ったが、2回目で決着を見た。その経緯としては次の内容のものである。
1回目の弁護士との折衝は、同弁護士の受任書では当方の意見を「暴論」等と決めつけていた割には、「立派なもの」等お世辞を述べつつ、何処まで譲歩しくれる余地があるのかを問うという誠に呆気ない内容であった。
これに対し当方は、**火災アジャスターとの折衝中で最終提示した条件をそのままとした。すなわち、過失は相手方の速度を10%修正し、契約者75%:相手25%の割合とし、時価はあくまでレッドブックの値とすることを主張した。担当弁護士からは、相手方契約者と打ち合わせて返事をするとのことであった。その後数日して、同弁護士より了解したとの返事を得たものである。
2.対応者の感想等・雑感
本件の対応では、突然の弁護士委任介入に若干驚きはしたものの、その結果ば呆気ないものです。しかし、**火災の弁護士委任の対応については、代理店であるディーラーからの圧力等が相当にあったと想像され、止むないものであったのかもしれないが、やはり意味のあったものとは到底思えません。
それと。**火災アジャスターであるが、「何とかこれで頼むよ」と懇願を繰り返すのみで、これでは修理工場で「負けてよ」という懇願を繰り返す、私の大嫌いな典型的アジャスターの姿ではないかと断じているのです。工場も同様だと思いますが、プロ同士の話の中では情けだけで、自らの都合を要求する考え方は間違っていると思うのです。
※別添資料
ところで、「あなた」の書き込みには「敵意」を感じますが、会社の方ですが、それとも私が最も見下すタイプの下らんアジャスターなのかな。何れにせよ「根性」あるなら、メールなり電話なり直接申し入れなさい。
あなたの敵ならこんなことはしないと思いませんか?
この工場事例については、内幕暴露するなとか、自己自慢ばかりして等と、批判する意見もあることは十分承知しています。それでも、私は書き続けます。それが私の自己表現だからです。
以前工場名が出ていますとメールしたのも私です。敵ではありません。あなたのいた会社関係者でももちろんありません。