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伊豆・伊東市宇佐美紀行

2022-04-09 | 沼津そして伊豆周辺
伊豆・伊東市宇佐美紀行
 今週中頃のこと、所用もあり伊東市宇佐美を訪れたのだが、JR伊東線の宇佐美駅近くの紀行を書き留めたい。

 JR伊東線は熱海駅から伊東駅までの路線だ。伊東から伊豆急下田までは伊豆急線という東急系の私鉄となるが、熱海から伊豆急下田までを多くが伊豆急列車が走っている。

 さて、宇佐美という地だが、詳しい歴史は不知ながら、現在は伊東市宇佐美となっており、伊東市内の一地域を示す字名なのだが、おそらく昔は宇佐美村、伊東村とそれぞれ独立した自治体に分かれていたのだと想像できる。これは全国何処でもそうであったが、すべては村という単位で、各地に最小単位の部落として存在していたのは容易に想像できることだろう。それと、この辺りの地は、現在は温泉もあるが、それは比較的近代になり開発されたものであり、海寄りの地は平地も少ないことから農業というより漁業が産業の中心だったと思える。つまり、宇佐美と伊東というのは、漁港という意味でそれぞれが分離していたのだろう。


 それと、宇佐美駅近くをちょっと歩いて見ると、江戸城の石垣に使われたという伊豆石の採石場跡が、この宇佐美の地にも幾つか残されている様だ。江戸時代までは、必ずしも江戸城だけでなく、伊豆石の取り場として、その地の利もあり、この宇佐美もその一つだったのだろう。ちなみに、鉱石を知悉するものでないが、伊豆石とは、火山の溶岩が固まった石だろうと想像する。と云うのは、伊豆半島というのは、数百年前に南の海の火山島であり、それはフィリピン海プレートの北の先端でもあり、それが北上しつつ日本列島にぶつかり一体化しているのだが、伊豆一円が火山の集まりであり、従って伊豆の各地に温泉も多いということなのだろう。



 この火山の溶岩が伊豆石となったを明確に示すのが宇佐美から20km程南下した伊東市城ヶ崎という地にある。ここは、海辺からノコギリ城に突き出す断崖絶壁の奇景地なのだが、この奇景を生み出したのは、大室山であり、その溶岩が伊豆高原を流れ下り、この城ヶ崎の奇景を生み出したということが判る。ただし、城ヶ崎は伊豆石はもの凄く多くあるのだが、その採石という場合を考えると、切り出し運搬にあまりに断崖絶壁過ぎて困難で、宇佐美の様に比較的なだらかな低地で海に近い採石場所としてこの地も活躍したのだろう。



 宇佐美は伊豆半島の東側だが、西側となる沼津から松崎に掛けても、各地に伊豆石の採石場跡というのが散在している。これら採石場は石切場という名称で名も知れず各地にあるが、比較的近年(昭和の初め頃)まで行われていた様だ。これは「家の爺さんが石を切り出す職人やってた」という話しを聞くことがあることから確かなことであろう。

 宇佐美駅の近くの路地で古い看板建築を見掛ける。おそらく戦後直ぐくらいの建物だろうが、線路を走る列車の窓から見えることを意図した看板なんだろう。なお、wikiで知るがJR伊東線は「1938年(昭和13年)に熱海駅 - 伊東駅間が全線電化で開通した。」そうだ。なお、本来の伊東線の延伸計画は「改正鉄道敷設法別表第61号で定められた「静岡県熱海ヨリ下田、松崎ヲ経テ大仁ニ至ル鉄道」の一部である。元々は熱海駅と下田町(現:下田市)の間を複線で結ぶ計画であったが、濱口雄幸の緊縮財政政策により、熱海駅 - 伊東駅間のみが単線で建設されることになった。」ということである。この下田までの延伸は伊豆急線により1961年に果たされたのだが、西伊豆の松崎を経由して大仁(現在の伊豆箱根鉄道・駿豆線の修善寺)までのループは、今後も完成することはないだろう。


 それと、駅前街道を数百m離れたところにある看板に、「北緯35度00分の街、宇佐美」という看板が目に付いたので記録しておいた。地球の東西を周回する緯度線(赤道を0として北緯および南緯の極点90度までの角度を表すパラメーター、北緯と統計で平面地図上のXYを指定する)だが、看板に記されている世界の各地を想像すると同じ北緯35度でもずいぶん気候は異なるなぁと思える。



 泊まった海岸沿いの場所浴室から見える風景だが、やや薄曇りの日でどんよりしていた。この宇佐美海岸だが、昔から砂花と引く的小さな波で、サーファーが多いのだが、この写真を写した時はほとんど姿は見えなかった。翌日朝の入浴の際は、かなりのサーファーが来ていた。


日本列島の得異な地域・伊豆半島(再掲)
2020-04-24 | 沼津と伊豆探索 回顧録
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/13a40ca4e0ce25170b381c9e7eec9e9f


#伊豆・宇佐美紀行


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