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価値を失った可変バルブエンジン

2022-04-18 | コラム
価値を失った可変バルブエンジン
 可変バルブエンジンとは、バルブの開度(ストローク量)の連続可変によりエンジン吸気量を制御し、持って出力ストットルの代わりに出力制御するメカで、BMWが先鞭を付け、現在でも使用しているものだ。BMWに遅れて、トヨタもニッサンも同方式をBMWのパテントに触れないよう機構を変えて開発しましたが、1世代限りで継続生産することはなかった。

 他でも同様のことを記しているが、トヨタやニッサンはBMWの後を追い、エンジン機構として後追いしてみたが、何れもそれに変わる価値あるものを発見したということであろう。その価値あるものとは、ぜんぜん新しいメカでない、EGR機構のことだ。

 つまり、可変バルブ開度は、給気管に生じる負圧は、ポンピングロスを示すものとして、吸気をスロットルバルブでなく、吸気バルブ開度で行うものだ。そのためスロットルバルブは付いているが、開いているので吸気管負圧はほとんど生じない。しかし、今更気付いたのもおかしいが、EGRとして燃焼後のほぼ不活性となったガスを、条件に応じて、適切な量を給気管に戻したやれば、給気管圧力は下がらないというもので、まったく可変バルブタイミングと同じ効果が安価にできるということだ。

 可変バルブ機構にした場合、給気管の負圧はどんな運転領域でも、ほとんど生じない。このことはスロットルバルブがなくても成立するディーゼルエンジンと同様に、主にブレーキの制動力を助成する負圧式ブレーキブースター用として、バキュームポンプを別途装着することが必要になる。近年では、ブレーキバイワイヤーとして、ブレーキ液圧を別途のモーターポンプで加圧し、ペダルのストロークや、周辺パラメーターに応じ、適宜ブレーキ作動を像減圧できる状況になってきた。しかし、バルブトロニックとBMWはバキュームポンプを付け続けているのだ。

 BMWはおよそ20年前にこの可変バルブタイミング(バルブトロニック)を導入し、未だコストを掛けて作り続けているが、およそ意味ない行為だと思えるのだが、失敗を認めないのはある意味異常なことで、このことは国家でも企業でも滅びを生むことになる。

【過去記事】
可変バルブリフトエンジンのこと
2007-11-14 | 車両修理関連
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/e32c1b68db1139885eb88ae16699d026

#現在では意味ない可変バルブ #バルブトロニック


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