昨今は省エネルギーや低CO2だとかで、燃費効率を追求したり排気量をダウンさせて、必要なときに高出力を得るためにターボチャージャーを装着したエンジンが増加していると感じます。また、ガソリンエンジンより熱効率の高いディーゼルエンジンの普及については、今や欧州では乗用車の新車販売の半数がディーゼルだと云われています。このディーゼルエンジンとターボとの相性は良く、現在ディーゼルエンジンでターボ付きは当たり前となっています。これは、現状の日本でも、大型トラックでは、従来は排気量2万cc以上のV8、V10、V12シリンダーエンジンがありましたが、現行販売車では総て直6で13千cc~15千cc程度のターボ付エンジンとなっています。
一方、ガソリンエンジンでのターボ付は、一時はもてはやされた時代がありましたが、それも一部のスポーツ用エンジン以外には下火となり推移して来ていました。これはターボ付ガソリンエンジンでは、圧縮比を落とさざるを得ないことによる熱効率の低下や、高加給時の燃焼室内温度の冷却のために過濃空燃比(ガソリン冷却)による燃費の悪化等から実燃費の悪化が避けられなかったからでもあります。しかし、昨今の新世代ターボ付ガソリンエンジンでは、シリンダー内直接噴射と組み合わせたりすることで圧縮比をあまり落とさず、過給圧をあまり上げない設定とすることでガソリン冷却も不要としたりしています。その上で、従来の自然吸気エンジンよりベース排気量をダウンさせることで、クルージング時の燃費を中心として実燃費を向上させています。
この様な乗用車用ターボ付ガソリンおよびディーゼルエンジンのトレンドは、現在ヨーロッパで顕著になって来ていますが、日本でも同様なトレンドとなるものと想像しています。なお、ターボチャージャーのサプライヤーですが、IHI(石川島播磨重工)、三菱重工、日立の日本メーカー3社のシェアは比較的大きい様ですが、増産の傾向にあるとの報がそのことを裏付けています。
追記
独BMW社では新型7シリーズを発表しましたが、740、750、730dと総てターボ付きエンジンです。(右図)