1013 ふじあざみラインで大型観光バス横転
本日(10/13)正午ちょっと前、静岡県小山町須走の地にある富士山五合目に続く「ふじあざみライン」の下りで大型観光バスがカーブで路側に逸脱し、1人が心肺停止その他三名重傷を負うという痛ましいバス事故があったと報道されている。
この「ふじあざみライン」だが、富士山五合目までの高さに至れる車道は、この道の他に、表富士周遊道(静岡県)と富士スバルライン(山梨県)があるが、この「ふじあざみライン」は無料で富士山五合目の高さに至れる。
当方は比較的近く無料なこともあり何度も通行したことがあるが、上るに連れて左右にじくざくに登るのだが、とにかく傾斜がキツく、大排気量バイクでトロトロ走るのを抜かす際、ローギヤまで落として抜かざるを得なかったこともある様な急傾斜になる。
不幸な事故だが、長年事故を見つめ、その原因などを想定する視点で眺めてみたい。
記事によると、「ふじあざみライン」(県道150号)の5.9キロポスト付近としてある。そして、Netで見られた背景の様子から、どうやら事故は下り走行でさほどに急でない右カーブの終わり付近で生じたことが伺える。GogleMAPとストリートビューを使用して道路を追い掛けると、事故写真の背景に一致する場所を特定できたので、それぞれ添付写真に付す。
最近は大型バストラでもAMTの普及がなされており、従来のMTが少なくなりつつあることを知るが、今回の事故現車がMTかAMTかまでは判断できないが、MTだとしてこの道は3速か場合により2速で登坂する道であろう。この様な道を下る場合、当然下りだからもっと高い4速5速にも入れられるが、それだとエンブレが効かず、ブレーキ多用でフェードを起こすので、登坂と降坂は同じギヤ段で下るのが原則となろう。
事故現場の単独カーブの曲率半径だけに着目すれば、おそらく5、60km/hでも楽に旋回できると思える。しかし、この事故現場に上にも下にも、もっと曲率半径の小さい減速しなければならないカーブがある。
かなり想像も含むが、今回のバスは事故現場手前でブレーキを多用し過ぎ、既にドラム式かディスク式かは判らないが制動装置の熱吸収体が熱容量が飽和するフェードを起こしていたのではないだろうか。つまり、今回事故の該当カーブ以前に既にフェードを生じており、5、60km/hを越える速度でカーブに入らざるを得なくなり、進行方向左側の傾斜法面に路外逸脱し、バス左前部を傾斜法面に衝突させつつ右側に横転した状況だろうと思える。
乗用車ならAT車で大して気にもせずブレーキを多用して下り坂を下っても、現在の車両はフェードを感じることはまずないが、大型車はそこがまったく異なる。ブレーキ装置は運動エネルギー(mv/質量×速度)であるため、車重の大きな大型車は運動エネルギーが乗用車に比べると桁違い(10~20倍)に大きい。かといって、ブレーキの熱容量を乗用車の10~20倍大きく設計するということは物理的もしくは容積的に難しい。だから、ブレーキフェード事故の多くは大重量のバストラとか特殊車(ホイールクレーンなど)に多く発生し事故となっている現実があるのだ。
記事からの引用に戻るが、逮捕されたと云う運転手は26才と若い。大型免許を取得するには、自衛隊員以外は普通免許を取得し最低2年以上必用だ。と云うことは最短の状態でも20才で大型免許を取得し、その上でバスだと二種免許を取得しなけれればならない。そういう点などを考慮しつつ想定すれば、今回の大型バスの運転をし始めて未だ4年程度の実務経験しかなかったのかも知れない。その経験不足が、今回の事故の背景にあったのかも知れないなどと云う感想を持つ次第だ。
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観光バス横転、1人心肺停止 過失運転致傷容疑で運転手逮捕 静岡
2022年10月13日15時38分
13日午前11時50分ごろ、静岡県小山町須走の県道で観光バスが横転したと110番があった。バスは旅行会社「クラブツーリズム」(東京都新宿区)が主催する観光ツアー中で、県警などによると36人が乗っており、1人が心肺停止、ほかに3人が重い症状。残る32人は自力で歩ける状態という。
県警は13日午後、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で、埼玉県飯能市、運転手野口祐太容疑者(26)を現行犯逮捕した。
事故が起きた場所は、県道足柄停車場富士公園線(ふじあざみライン)の上り車線5.9キロポスト付近。県警によると、バスには野口容疑者と添乗員1人、乗客34人が乗っていた。
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観光バス横転事故、国交省が運行会社に特別監査…安全管理体制を調査
読売オンライン 2022年10月13日 17:00
静岡県小山町の県道で観光バスが横転した事故で、国土交通省は13日午後、道路運送法に基づき、バスの運行会社「美杉観光バス」の本社営業所(埼玉県飯能市)に特別監査に入った。同社の安全管理体制などを詳しく調べる。
本日(10/13)正午ちょっと前、静岡県小山町須走の地にある富士山五合目に続く「ふじあざみライン」の下りで大型観光バスがカーブで路側に逸脱し、1人が心肺停止その他三名重傷を負うという痛ましいバス事故があったと報道されている。
この「ふじあざみライン」だが、富士山五合目までの高さに至れる車道は、この道の他に、表富士周遊道(静岡県)と富士スバルライン(山梨県)があるが、この「ふじあざみライン」は無料で富士山五合目の高さに至れる。
当方は比較的近く無料なこともあり何度も通行したことがあるが、上るに連れて左右にじくざくに登るのだが、とにかく傾斜がキツく、大排気量バイクでトロトロ走るのを抜かす際、ローギヤまで落として抜かざるを得なかったこともある様な急傾斜になる。
不幸な事故だが、長年事故を見つめ、その原因などを想定する視点で眺めてみたい。
記事によると、「ふじあざみライン」(県道150号)の5.9キロポスト付近としてある。そして、Netで見られた背景の様子から、どうやら事故は下り走行でさほどに急でない右カーブの終わり付近で生じたことが伺える。GogleMAPとストリートビューを使用して道路を追い掛けると、事故写真の背景に一致する場所を特定できたので、それぞれ添付写真に付す。
最近は大型バストラでもAMTの普及がなされており、従来のMTが少なくなりつつあることを知るが、今回の事故現車がMTかAMTかまでは判断できないが、MTだとしてこの道は3速か場合により2速で登坂する道であろう。この様な道を下る場合、当然下りだからもっと高い4速5速にも入れられるが、それだとエンブレが効かず、ブレーキ多用でフェードを起こすので、登坂と降坂は同じギヤ段で下るのが原則となろう。
事故現場の単独カーブの曲率半径だけに着目すれば、おそらく5、60km/hでも楽に旋回できると思える。しかし、この事故現場に上にも下にも、もっと曲率半径の小さい減速しなければならないカーブがある。
かなり想像も含むが、今回のバスは事故現場手前でブレーキを多用し過ぎ、既にドラム式かディスク式かは判らないが制動装置の熱吸収体が熱容量が飽和するフェードを起こしていたのではないだろうか。つまり、今回事故の該当カーブ以前に既にフェードを生じており、5、60km/hを越える速度でカーブに入らざるを得なくなり、進行方向左側の傾斜法面に路外逸脱し、バス左前部を傾斜法面に衝突させつつ右側に横転した状況だろうと思える。
乗用車ならAT車で大して気にもせずブレーキを多用して下り坂を下っても、現在の車両はフェードを感じることはまずないが、大型車はそこがまったく異なる。ブレーキ装置は運動エネルギー(mv/質量×速度)であるため、車重の大きな大型車は運動エネルギーが乗用車に比べると桁違い(10~20倍)に大きい。かといって、ブレーキの熱容量を乗用車の10~20倍大きく設計するということは物理的もしくは容積的に難しい。だから、ブレーキフェード事故の多くは大重量のバストラとか特殊車(ホイールクレーンなど)に多く発生し事故となっている現実があるのだ。
記事からの引用に戻るが、逮捕されたと云う運転手は26才と若い。大型免許を取得するには、自衛隊員以外は普通免許を取得し最低2年以上必用だ。と云うことは最短の状態でも20才で大型免許を取得し、その上でバスだと二種免許を取得しなけれればならない。そういう点などを考慮しつつ想定すれば、今回の大型バスの運転をし始めて未だ4年程度の実務経験しかなかったのかも知れない。その経験不足が、今回の事故の背景にあったのかも知れないなどと云う感想を持つ次第だ。
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観光バス横転、1人心肺停止 過失運転致傷容疑で運転手逮捕 静岡
2022年10月13日15時38分
13日午前11時50分ごろ、静岡県小山町須走の県道で観光バスが横転したと110番があった。バスは旅行会社「クラブツーリズム」(東京都新宿区)が主催する観光ツアー中で、県警などによると36人が乗っており、1人が心肺停止、ほかに3人が重い症状。残る32人は自力で歩ける状態という。
県警は13日午後、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で、埼玉県飯能市、運転手野口祐太容疑者(26)を現行犯逮捕した。
事故が起きた場所は、県道足柄停車場富士公園線(ふじあざみライン)の上り車線5.9キロポスト付近。県警によると、バスには野口容疑者と添乗員1人、乗客34人が乗っていた。
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観光バス横転事故、国交省が運行会社に特別監査…安全管理体制を調査
読売オンライン 2022年10月13日 17:00
静岡県小山町の県道で観光バスが横転した事故で、国土交通省は13日午後、道路運送法に基づき、バスの運行会社「美杉観光バス」の本社営業所(埼玉県飯能市)に特別監査に入った。同社の安全管理体制などを詳しく調べる。