goo blog サービス終了のお知らせ 

 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ジェネレーター(発電機)のこと

2011-05-06 | 技術系情報
 クルマ用ジェネレーター(発電機)のことを記してみます。
 昔の(昭和40年代初期頃まで)のクルマでは、エンジンでベルト駆動される発電機は、DCダイナモと呼ばれる、直流発電機でした。
 このDCダイナモですが、低速回転では発生電圧が低く、アイドリング状態では充電が不能という欠点を持っていました。
 また、発電機とモーターは、いわゆるファラデーの法則という奴で、原理はまったく同一のものです。軸を廻してやれば発電し、電気を流せば軸が回転すると云うことです。そんな中、DCダイナモでは多極化した回転子(アーマチュア)の回転用接点(コンミュテーターと呼ばれる)の接触ブラシ(カーボン製)のい摩耗の問題とか、トラブルも多かった様に聞いています。
 先の様な、DCダイナモの欠点を改善し、現在でも主流となっているし、超大型の発電所においても使用されるのがACジェネレーター(交流を表すオールタネーターと呼ばれる)です。
 この、オールタネーターでは、三相交流を出力するのですが、時間軸のずれた三相交流を全波整流するために合計6個のダイオードが使用されており、直流に整流している訳です。なお、全波整流していると云っても、交流の脈動成分は残っています。通常の電子回路では、コンデンサーやコイルを用いた平滑回路を持って純な直流にするのですが、幸いなことにクルマ用としては大容量のバッテリーが並列接続されていますので、脈動は吸収され平滑化が為されます。ですから、エンジン作動中に、バッテリーを外すような方はいないと思いますが、これは厳禁されることです。
 自動車用の場合は、常にエンジン回転が変動しますから、発生電圧を制御する仕組みが必用となります。これが、ボルテージレギュレターというもので、昔はリレー式の機械的なものでしたが、昭和50年代の中頃でしょうか、オールタネーター直付のICレギュレターというのが普及しだし現在に至っております。
 電圧の制御は、オールタネーターではフォールドコイルに電圧が発生し、回転子は単巻の電磁石となっています。そして、これに電力を伝えるための2極のスリップリングが設けられています。この回転子の電圧を制御することで、フォールドコイルの電圧を制御できる仕組みとなっています。なお、実験的にレギュレターの制御を止めてみますと、エンジン回転を上昇させれば、無負荷では容易に100Vを超すような電圧を
 この、オールタネーターの採用により、アイドリング状態でも充電可能な電力を生み出すとと共に、大容量化も容易です。さらに近年、クルマの電力需要の要求だとか、各モーターの小型化への要求に沿うべく、バッテリーの48V化が検討されていますが、これにもオールタネーターとしては容易な変更で対応できるはずです。
 また、最近のHEV(ハイブリッド)とかEVでは、回転子を電磁式ではなくネオジムなどの強力な永久磁石を使用し、モーターの小型化と効率向上を図っています。そして、回転数の制御は、DC・ACコンバーター+VVVF(可変電圧&可変周波数)にて行っているのです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。