この記事は 2008-12-27 のマイブログに掲載した再録です。
まだ、私が生まれる遙か以前のクルマのことを若干記してみます。
写真は、あるところで見た朽ち果てたダットサンのエンジンルーム内と運転席のペダル廻りです。
まず、エンジンですが点火プラグが4本あり、4気筒だと直ぐ判りますが、シンダーヘッドにバルブ機構が内蔵された様子がなく、2サイクルエンジン様にも見えます。しかし、識者はお判りの様に、このエンジンは4サイクルエンジンであり、バルブ機構はシリンダーブロック側に配置される、通称サイドバルブ式という動弁機構だったのです。
このサイドバルブ式は、動弁機構がシンプルで採用されたのですが、燃焼室面積が大きくなりS/V比が悪化し熱効率が低いことや、吸入から排気の流れも悪く、効率が低いことから、シリンダーヘッド側に弁を持つ頭上弁式として、OHVやOHCに、最近ではDOHCが当然の方式となってしまった訳です。
サイドバルブ式は、最後は吸入バルブのみOHVとしてヘッド側にバルブを持ち、排気バルブはサイドバルブとする型式のエンジン(F型ヘッドと呼ぶ)が、三菱のジープなんかで使っていた思い出があります。
動弁機構は、現在の様に油圧調整機構(HLA:ハイドロリックラッシュアジャスター)がない時代は、タペット調整というクリアランスの調整をしたものです。これは、動弁系の摩耗等が原因でクリアランスが詰まると、バルブが密着しなくなり、完全に突き上げれば、圧縮が逃げてエンジン稼働が困難となります。しかし、その前の時点で、特に排気バルブで問題となるのが、バルブがバルブシートに確実に密着しなくなると、バルブの放熱不良によるバルブの溶損を生じてしまうのです。これは、OHV時代のエンジンで、時々見掛けたものです。
また、クリアランスが大きすぎると、まあバルブのリフト量が減るという問題もありますが、カチャ、カチャという異音(タペット音と呼ばれる)が大きくなってしまうという問題があります。
このサイドバルブ式は、シリンダーブロック側面にカバーがあり、それを外して、タペット調整を行うのですが、三菱のF型ヘッドで行ったことがありますが、結構やり難かった思いがあります。それに比べるとOHVやOHCなんかは簡単なものです。なお、DOHC(直動式の場合)ですが、昔のトヨタエンジンでも滅多に調整する機会はありませんでした。この調整は、多種類の厚さの異なるシムという板を選択して行うのですが、カムからバルブステムエンドまでの動弁系の剛性が高く摩耗量も少ないのでしょう、相当長距離を走り込んだエンジンでも基準値内のクリアランスを外れたものは少なかった思い出があります。(最近のトヨタの直動式ツインカムではシムを廃止し、多種類の厚さの異なるタペットを選択するという方式に変わっている様です。
それと、エンジンルームの写真で気づくのは、バッテリーが3セルの6V仕様であることと、発電機が現在の様なオールタネーター(三相交流発電機)でなく、DCダイナモである点です。このDCダイナモは、直流モーターと同じで、それを回転させて発電するという方式です。この欠点は電圧変動が大きなことで、アイドリング等でエンジン回転の低いときは、充電できなかったことでした。
さて、室内のペダル廻りに目を転じてみましょう。マニュアルミッション車ですが、3ペダルの配置が現在と異なります。アクセルが、クラッチ(左側)とブレーキ(右側)の中央に配置されています。
それと、左側のクラッチペダルより更の左側のシフトレバーとの間にあるボタン状の部品は何か判りますか。これは、ヘッドランプの上下光軸を切り替えるディマースイッチというものです。この足踏み式のディマースイッチは、結構後々まで採用し続けていたと思います。
まだ、私が生まれる遙か以前のクルマのことを若干記してみます。
写真は、あるところで見た朽ち果てたダットサンのエンジンルーム内と運転席のペダル廻りです。
まず、エンジンですが点火プラグが4本あり、4気筒だと直ぐ判りますが、シンダーヘッドにバルブ機構が内蔵された様子がなく、2サイクルエンジン様にも見えます。しかし、識者はお判りの様に、このエンジンは4サイクルエンジンであり、バルブ機構はシリンダーブロック側に配置される、通称サイドバルブ式という動弁機構だったのです。
このサイドバルブ式は、動弁機構がシンプルで採用されたのですが、燃焼室面積が大きくなりS/V比が悪化し熱効率が低いことや、吸入から排気の流れも悪く、効率が低いことから、シリンダーヘッド側に弁を持つ頭上弁式として、OHVやOHCに、最近ではDOHCが当然の方式となってしまった訳です。
サイドバルブ式は、最後は吸入バルブのみOHVとしてヘッド側にバルブを持ち、排気バルブはサイドバルブとする型式のエンジン(F型ヘッドと呼ぶ)が、三菱のジープなんかで使っていた思い出があります。
動弁機構は、現在の様に油圧調整機構(HLA:ハイドロリックラッシュアジャスター)がない時代は、タペット調整というクリアランスの調整をしたものです。これは、動弁系の摩耗等が原因でクリアランスが詰まると、バルブが密着しなくなり、完全に突き上げれば、圧縮が逃げてエンジン稼働が困難となります。しかし、その前の時点で、特に排気バルブで問題となるのが、バルブがバルブシートに確実に密着しなくなると、バルブの放熱不良によるバルブの溶損を生じてしまうのです。これは、OHV時代のエンジンで、時々見掛けたものです。
また、クリアランスが大きすぎると、まあバルブのリフト量が減るという問題もありますが、カチャ、カチャという異音(タペット音と呼ばれる)が大きくなってしまうという問題があります。
このサイドバルブ式は、シリンダーブロック側面にカバーがあり、それを外して、タペット調整を行うのですが、三菱のF型ヘッドで行ったことがありますが、結構やり難かった思いがあります。それに比べるとOHVやOHCなんかは簡単なものです。なお、DOHC(直動式の場合)ですが、昔のトヨタエンジンでも滅多に調整する機会はありませんでした。この調整は、多種類の厚さの異なるシムという板を選択して行うのですが、カムからバルブステムエンドまでの動弁系の剛性が高く摩耗量も少ないのでしょう、相当長距離を走り込んだエンジンでも基準値内のクリアランスを外れたものは少なかった思い出があります。(最近のトヨタの直動式ツインカムではシムを廃止し、多種類の厚さの異なるタペットを選択するという方式に変わっている様です。
それと、エンジンルームの写真で気づくのは、バッテリーが3セルの6V仕様であることと、発電機が現在の様なオールタネーター(三相交流発電機)でなく、DCダイナモである点です。このDCダイナモは、直流モーターと同じで、それを回転させて発電するという方式です。この欠点は電圧変動が大きなことで、アイドリング等でエンジン回転の低いときは、充電できなかったことでした。
さて、室内のペダル廻りに目を転じてみましょう。マニュアルミッション車ですが、3ペダルの配置が現在と異なります。アクセルが、クラッチ(左側)とブレーキ(右側)の中央に配置されています。
それと、左側のクラッチペダルより更の左側のシフトレバーとの間にあるボタン状の部品は何か判りますか。これは、ヘッドランプの上下光軸を切り替えるディマースイッチというものです。この足踏み式のディマースイッチは、結構後々まで採用し続けていたと思います。