コンパティビリティ(compatibility)という言葉は、日本語に直訳すれば「互換性」という意味となります。しかし、クルマの世界で「コンパティビリティ」とは、車両相互の衝突における「共生」と云った思想・概念となります。
ご存じのように、車両相互の衝突事故においては、より小さく軽いクルマの方に大きな被害が生じるのは物理の法則(運動量保存の法則)の通り明かなことなのです。しかし、クルマの設計思想に「コンパティビリティ」の思想を導入することにより、幾らかでもこの被害を軽減させようというものなのです。つまり、比較的大きく重量の重い乗用車には 、小さなクルマとの衝突に際し、潰れやすく加害性を低減させた配慮を設計に取り入れます。そして、小さく軽いクルマでは、より堅牢なキャビン(乗員空間)を保持する設計とするという思想なのです。この思想を最初に打ち出したのは、やはり「メルセデスベンツ」社でした。その後、日本を含め世界中のメーカーで、この思想は取り入れられつつあります。
ところで、乗用車同士の「コンパティビリティ」は、ある程度許容できるものですが、死亡事故に至る様な事故で多いのは、乗用車と大型トラックとの正面衝突事故であり多くが発生しています。つい、1ヶ月程前にも、私の業務で軽乗用車と大型トラックがカーブで正面衝突する事故が発生しました。幸いなことに運転者は、死亡に至るような重度な障害は負わなかったものの、乗っていた軽自動車は明らかに全損状態であり、運転席のステアリングホイールやインストルメントパネルが10cm程度も後退しておりました。エアバックが装着され正常作動しており、幸い重傷事故には至りませんでしたが、運転者は腰の骨を軽度に骨折し入院されました。私は事故状況を聴取するため病院を訪れましたが、クルマの状態に比べ、思いの外に元気な様子の契約者さんにお会いし安心しました。しかし、これがエアバックもついていないクルマであったなら、命は亡かったのではないかと想像されたのです。
この様な大型トラックと乗用車との正面衝突事故では、トラックのバンパーが高く、乗用車の衝突安全性能が十分発揮できないという問題があります。すなわち、乗用車の前部骨格で極めて大きな潰れ剛性を負担すべきフロントサイドメンバーが、トラックのフロントバンパー下部に入り込み、その上部のみのボデー構造で衝突過重を受け止めてしまうことによるのです。ところで、日本の保安基準でも、やっとトラックの「前部潜り込み防止装置」の装着義務付けが平成23年9月1日以降の生産車から適用されることになっています。詳しい規定は下記リンクを参照して戴くとして、トラックのフロントバンパー下端の高さを地上40cm(ダンプおよびコンクリミキサー車にあっては45cm)に規制するというものです。
ご存じのように、車両相互の衝突事故においては、より小さく軽いクルマの方に大きな被害が生じるのは物理の法則(運動量保存の法則)の通り明かなことなのです。しかし、クルマの設計思想に「コンパティビリティ」の思想を導入することにより、幾らかでもこの被害を軽減させようというものなのです。つまり、比較的大きく重量の重い乗用車には 、小さなクルマとの衝突に際し、潰れやすく加害性を低減させた配慮を設計に取り入れます。そして、小さく軽いクルマでは、より堅牢なキャビン(乗員空間)を保持する設計とするという思想なのです。この思想を最初に打ち出したのは、やはり「メルセデスベンツ」社でした。その後、日本を含め世界中のメーカーで、この思想は取り入れられつつあります。
ところで、乗用車同士の「コンパティビリティ」は、ある程度許容できるものですが、死亡事故に至る様な事故で多いのは、乗用車と大型トラックとの正面衝突事故であり多くが発生しています。つい、1ヶ月程前にも、私の業務で軽乗用車と大型トラックがカーブで正面衝突する事故が発生しました。幸いなことに運転者は、死亡に至るような重度な障害は負わなかったものの、乗っていた軽自動車は明らかに全損状態であり、運転席のステアリングホイールやインストルメントパネルが10cm程度も後退しておりました。エアバックが装着され正常作動しており、幸い重傷事故には至りませんでしたが、運転者は腰の骨を軽度に骨折し入院されました。私は事故状況を聴取するため病院を訪れましたが、クルマの状態に比べ、思いの外に元気な様子の契約者さんにお会いし安心しました。しかし、これがエアバックもついていないクルマであったなら、命は亡かったのではないかと想像されたのです。
この様な大型トラックと乗用車との正面衝突事故では、トラックのバンパーが高く、乗用車の衝突安全性能が十分発揮できないという問題があります。すなわち、乗用車の前部骨格で極めて大きな潰れ剛性を負担すべきフロントサイドメンバーが、トラックのフロントバンパー下部に入り込み、その上部のみのボデー構造で衝突過重を受け止めてしまうことによるのです。ところで、日本の保安基準でも、やっとトラックの「前部潜り込み防止装置」の装着義務付けが平成23年9月1日以降の生産車から適用されることになっています。詳しい規定は下記リンクを参照して戴くとして、トラックのフロントバンパー下端の高さを地上40cm(ダンプおよびコンクリミキサー車にあっては45cm)に規制するというものです。