時々クルマに精通してない方から「ベンツは頑丈で潰れないから安全だ!」みたいな話を投げ掛けられますが、まったくとんちんかんな話として苦笑してしまいます。仮に相当に車重は増えるでしょうが戦車みたいな厚板鋼板でクルマを作れば、時速50km/hのバリヤテストでも、ほとんど潰れないものとなるでしょう。しかし、その時車内の減速度(G)は急激に立ち上がりピークGは空恐ろしいほどの値を示すことでしょう。これでは、幾ら生存空間が保たれエアバッグが作動しても、乗員に作用するGから死傷率は増加するに違いないでしょう。車両が潰れることにより運動エネルギーを吸収しピークGを引き下げる、一方必要以上に潰れないこと(キャビン変形による生存空間の確保)が車両メーカーによる衝突テストやシミュレーションの目標となります。
この事故時の潰れによる安全性の確保、すなわちクラッシャブルボデーの思想を世界で最初に取り入れたのがベンツ社であることは知られたことです。写真のW201の前後のクラッシュですが、前後ドアのドアチリに注目して下さい。多少の狂いは伺えますが、この状態であればドアは手で開けることができるでしょう。つまり、これ程まで車体の前後を圧壊されつつも、キャビンの変形は僅かなものに留まっていることを示していると思います。また、後部では昔のクルマでは燃料タンクがトランク床下に設置されていましたが、このクルマを含め現在車では、ほとんど後席座面の床下に設置されています。だから、これ程までに車両後部を潰すことで、運動エネルギーの吸収が可能となっていることも判ります。
この事故時の潰れによる安全性の確保、すなわちクラッシャブルボデーの思想を世界で最初に取り入れたのがベンツ社であることは知られたことです。写真のW201の前後のクラッシュですが、前後ドアのドアチリに注目して下さい。多少の狂いは伺えますが、この状態であればドアは手で開けることができるでしょう。つまり、これ程まで車体の前後を圧壊されつつも、キャビンの変形は僅かなものに留まっていることを示していると思います。また、後部では昔のクルマでは燃料タンクがトランク床下に設置されていましたが、このクルマを含め現在車では、ほとんど後席座面の床下に設置されています。だから、これ程までに車両後部を潰すことで、運動エネルギーの吸収が可能となっていることも判ります。