私の思いと技術的覚え書き

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Nuclear black mail とは・・・

2019-07-24 | コラム
 これは、日本語音でニュークリア・ブラックメールと読むんですが、意味は「核による脅迫」のことを指します。メールと記していますが、宣言もしくは通告と意訳してよいでしょう。つまり、核保有国(例えば中国)と非核保有国(我が国)が戦端を開いたところ、通常兵器により我が国は一定相手国を蹴散らしたとしましょう。それで相手国が諦めてくれるか? そうそう諦める核保有した非対称国家はないでしょう。追い込まれた相手国は「警告する!24時間以内に武装放棄せよ。従わぬ場合は、沖縄、大阪、東京の何れかに核を打ち込む!」と Nuclear black mail を発する訳です。

 ですから、見てませんが「かわぐちかいじ」とかいう漫画家原作の「空母いぶき」とかいう映画を上映している様ですが、通常兵器で幾ら蹴散らしても Nuclear black mail を受けたら、初弾の苦痛に耐え、米国は核の傘とやらで、撃ち返してくれるか?、くれる訳ないでしょう!、それこそ米国本土が報復核により大きな苦痛を甘受する覚悟があればの話しであり得ないことでしょう。

 昨晩のこと Youtube で、元自衛隊将官の名前も覚える気がない某人が、「空母いぶき」みたいな、対中国戦シナリオを語ってまして、電波妨害兵器や電磁砲の話しなんか取り入れて、蹴散らせるとしゃあしゃおと述べているのです。呆れましたので、以下のコメント2件を記さずにおれませんでした。

①あのねぇ、とても無理筋の荒唐無稽なお話しと聞きました。お話しのペースで中国を蹴散らしたとしましょう。中国があっさり諦めましょうか?
 中国は24時間以内に武装解除しない限り、核を沖縄、大阪、東京辺りの何処かへ打ち込むと宣言するでしょう。日本はどうでますか?

 アメリカの核の傘があるから、とりあえず初回の核の苦痛に耐え、アメリカが報復してくれる・・・。あり得ない話しでしょう。同盟国がもしくは駐留米軍が核攻撃受けたとしても、核反撃はできないことでしょう。それをできるのは、米本土は初の核の連鎖に耐える覚悟ができた場合のみです。つまり、電磁法だとかなんとかじゃなく、日本が核を持たなくちゃムリな話しでしょう。

②この方、元自衛隊(という張りぼて部隊というか実質的な災害救助隊)で将官やってたんだろう。それが、こんな中学校レベルの子供だましで欺けると思っ取るのかと、だんだん腹が立ってきた。どういう現状認識と戦略観を持っているのかと呆れざるを得ない。
 戦後70年を経て、戦火は絶えない訳だが、総てどちらかが非核国との戦争だ。核保有国同士の戦争はなくなった。それは、それをやったら自国の破滅に至らざるを得ないという核抑止力があるが故だろう。非核国はどんなに費用を掛けて核以外の装備・要員を掛けても、核保有国の Nuclear black mail(核による脅迫)には抵抗できまい。だから、英国、フランス、中国でも、米ソがどんなになだめすかしても、独自に核を持ったし、その方が軍事支出も抑えられることを知っていたからに他ならない。


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