玉県朝霞市にある陸上自衛隊広報センターに訪問してきました。ここには90式戦車等の実物が展示してありますが、この主砲のことに関連して記してみます。
90式戦車の主砲は、120mm滑腔砲(かっこうほう)というのだそうですが、砲身がライフリングされていないものです。戦艦大和の46センチ砲を含め、被撃破物の鋼板をぶち抜く徹甲弾の砲身は、螺旋状のライフリングがなされて砲弾を回転させることにより高い直進性を得て命中精度を向上させているのだと思っていました。しかし、ライフリングにより発射エネルギーが漏れ弾速が低下するのを防止し、高い発射初速を得た高い貫通力を目的として、この様な滑腔砲が開発された様です。
このタイプの砲身では、砲弾が回転しませんので直進性が落ちてしまいます。そのため砲弾の写真を見て戴ければ判りますが弾頭後部に安定翼が付いており、弾道を安定させています。しかし、この弾頭を素人目に見ますと如何にも軽そうに感じますが、これで高い貫通力が得られるのかとも感じます。
この90戦車の主砲はラインメタル社(ドイツ)製だそうです。米国やドイツ等西側諸国の主力戦車の主砲として使用されているのだそうです。ところで、我が国で大砲の専門メーカーとしては日本製綱所が有名です。先の大戦中には、大和の主砲にも携わり、現在の陸・海・空の各自衛隊の火器多数を製作している様です。