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北海道アベ演説ヤジ問題から思う国民性への懸念

2022-03-28 | コラム
北海道アベ演説ヤジ問題から思う国民性への懸念
 憲法に定められた表現の自由だが、だんだんと抑圧されつつあることを感じている。これは、今関西で起きている関西生コン労働組合弾圧事件による一連の、警察、検察、裁判所の不当判決とか、各種エセ同和団体における不当な圧力に屈し、不当な許認可を与える自治体とか、未だ差別が残るとして優遇取り扱いを行う、国や自治体、甘い不公正な判断を行う裁判所に感じるところだ。

 これらのことは、西尾幹二氏の云う、日本人は美徳もあるが、そこに時の権力とか権威に対して諂うという大きな欠点が内在しているからと思える。つまり、日本人は、先の大戦で徹底的な民族虐殺だとか占領後の焚書や言論統制までを行ってた米国を恨みもしないで、敗戦した翌日からは、米国がマスターで、そのスレイブにあることで安住できると云う誠に不思議な社会だということだ。

 このことを、ある論者は日本は過剰な同調社会であり、また昔ながらの個人が独立していない村社会であり、相互監視の社会であると結論付けている。そして、同調から飛び出した者を、正に村八分として皆で吊し上げる社会だというのだ。

 その様な視点で、今回の原告には称賛を与えたいし、権力に諂わないで公正な判断を下した裁判官は、最近では希なる独立した良識があったと思える。しかし、最高裁辺りの、時の権力に諂うことで、自己の権力の維持にしか思考しない高位職の中には、苦々しく感じている者がいるだろうと想像している。

 ある意味工業立国としては成功した日本だが、格差は拡大しつつ国民の福祉や幸福が向上したとは思えない。その様な点で限界に近づいている様に思えてならない。これをブレークスルーするには、国民個々が独立する必用があるし、縦の関係より横の関係を重視しつつ、権力とか権威という者に反発するんではなく、それから者が下すもしくは誘導する判断を、冷静にその正当性を判断し、時としてはレジスタンスして行く行動が必用ではないだろうか。つまり、憲法に定められた基準がまずあって、例え権力者だから、権威者だからと、そこに諂うと云う奴隷根性を払拭していかない限り、日本の未来はない様に思える。

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安倍元首相へヤジで警官に排除された男性らが勝訴「表現の自由を侵害」で警察庁に衝撃走る
AERA dot. 3/28(月) 9:00配信
 北海道札幌市で安倍晋三首相(当時)が街頭演説中に「安倍辞めろ」とヤジを飛ばした2人が北海道警の警察官に現場から排除され、損害賠償を求めた裁判で、札幌地裁は3月25日、原告側の「勝訴」判決を言い渡した。

 原告は大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)で、北海道に対し、慰謝料660万円の損害賠償請求し、札幌地裁は88万円の支払いを命じた。

 判決を言い渡した後、広瀬孝裁判長は「原告らの表現の自由は警察官らによって侵害されたものと判断しました」と説諭した。

 判決要旨の言い渡しが終わると、法廷には大きな拍手が沸き上がった。

問題のヤジは、2019年7月15日の参院選の最中に起こった。

 街頭演説中に安倍首相に対して、大杉さんが「安倍辞めろ」「帰れ」

と声をあげると、北海道警の警察官に囲まれてその場から排除された。

次に、別の場所で桃井さんが「増税反対」と訴えると、警察官に移動するように求められ、90分間、複数の警察官に付きまとわれた。

 2人は不当に行動を制限されたと訴訟を起こした。大杉さんは「ただ声を上げていただけだ。現場で小競り合いなどを生じさせることもないのに、警察官が警告もなく複数で排除したことは、実力行使」と訴えた。

 桃井さんは「興奮状態にはなく、周囲に危険な状況を発生させていない。警察官に体当たりもしていない」と主張していた。

 それに対して、北海道警は、大杉さんが安倍首相の乗っていた街宣車から3mほどの距離で大声を出して、右手を突き上げたことで「犯罪を起こす危険性が極めて高い」と主張。桃井さんについては「ヤジを制止したときに、警察官に体当たり、手をふりほどくなど、興奮していた。職務質問をしたが、つきまといではなく、安全な誘導」と反論した。

 2人に対して北海道警は「危険な事態があった」「危害回避のため」と警察官職務執行法の要件を満たし、適法であったと主張した。

 だが、北海道警の主張は裁判の審理で大きく崩れた。
北海道警の警察官は以下のように主張した。

「大杉さんを排除した際に安倍辞めろという以外に『お前が帰れ』『うるさい』などと声をあげていた。それで肩や腕を掴んだ」

「バッグに手を伸ばしていたので、刃物やナイフなどの凶器を取り出す危険性があった」

 しかし、判決文によると、<(裁判所に提出された現場の動画に)「お前が帰れ」「うるさい」などの発言は全く録音されていない。そもそも「怒号」というからには、相当程度の声量があったはずであるのに、全く録音されていないというのは不自然>

<動画によれば、(大杉さんが)「安倍辞めろ」と声をあげてから警察官が動き出すまでに数秒程度。(大杉さんの)肩や腕をつかむまで10秒程度。わずかな間で聴衆との間で騒然となったり、小競り合いが生じる様子はうかがえない>

<警察官は「凶器を取り出す危険性を認めました」と証言しておきながら、(大杉さんの)右手を確認したのかと問われると「確認するいとまがなかった」と否定。動画からも確認していた様子はうかがわれない>

 裁判所は警察官の証言を<にわかに採用することができない>と断じた。

 桃井さんのヤジについても<警察官は証人尋問において(桃井さんに)「どうしたの」「落ち着いて」と声を掛けたところ、それを無視して全身を震わせて聴衆に向かって前進したと証言。念のため、当時の動画を見ても(桃井さんが)声をあげた時点で聴衆の多くは単に演説に耳を傾けていたようにうかがわれ、騒然とした状況ではない。(桃井さんが)前進したとの点についても(動画では)前進していない。危険な事態はうかがえない>

 北海道警の主張には<疑問を差し挟まざるを得ない>と認めなかった。

 判決は北海道警による2人に対する制止行為は警察官職務執行法を適用するのは無理があり、<違法と言わざるを得ない>と厳しく指摘した。

 そして、原告らが争点にしていなかった憲法で定められている「表現の自由」にも踏み込んだ。

<「安倍辞めろ」「増税反対」などと声を上げ、上品さに欠けるきらいはあるものの、公共的・政治的事項に関する表現行為である。安倍首相の街頭演説の場にそぐわないものと判断して(ヤジを)制限しようとしたものと推認される>

 さらに<原告らはいずれも表現の自由を侵害された>との判断を下し、北海道に賠償を命じた。

 判決後、大杉さんは会見で「勝訴は嬉しい。現場で北海道警の警察官は『大声を出すと聞いているおばあちゃんがびっくりして死ぬかもしれない』など理屈が通らない理由を並べて排除した。安倍政治と似たものではないかと思った」と語った。

 桃井さんは「排除された後も1時間以上もつきまとわれ、いつ家に帰れるのかと怖かった。判決は声を上げたら排除される社会はおかしいという内容だった。力になる判決」と喜んだ。

 2人の弁護団も「北海道警による表現の自由の侵害が正面から認められた歴史的な判決」と高く評価した。

 安倍首相へのヤジに対する、警察官の「実力行使」が「違法」と判断された判決は、北海道警、警察庁に衝撃を与えた。警察庁幹部はこう漏らした。

「当時、安倍首相の周囲がヤジを気にしているとの話があり、排除となったようです。裁判所はそれはやりすぎ、違法とまで断罪している。こちらが安倍首相側に忖度しすぎたのか…」 (AERAdot.編集部 今西憲之)
ソースURL:https://news.yahoo.co.jp/articles/ea01cad9d2ac6fce5e4cadfe46ff5bea84dbfc1f?page=1


#和も大事だが、それが諂うことで優先されるべきでない


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