私の思いと技術的覚え書き

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作業工数のこと

2015-01-28 | 技術系情報
 すべての製造業にいて、作業工数の管理は原価を明確にする上からも重要な事柄となると思います。クルマ関係での整備費用や板金塗装も名称こそ異なりますが、日整連で策定した点数表や損保で策定した指数とうのがありますが、工数と同義語と考えてよいでしょう。

 整備、板金工場で工賃請求するに際し、要した作業時間に時間当たりの作業単価(マンアワー-レート)を乗じて計上するのが原則となります。しかし、とかく初めての作業とか不慣れな作業において、いたずらに試行錯誤を繰り返し、とんでもない長時間を要し、請求額に妥当性を欠くという場合があり得ます。そんな弊害をなくし、一つの指針となる物指しとして工数(点数表や指数)がある訳です。

 ところで、工数(点数や指数)には、予め構造などを熟知して、作業を一切の迷いなく完遂できることを前提としています。しかし、人が行うのが前提の作業ですから、当初は作業速度が速くても継続作業において疲労から作業速度が低下したり、喉の渇きを潤したり用便を要したり、職場の事務連絡の時間を要したりといった正味の作業時間を継続する上に置いて必用不可欠の時間を要するのが現実です。これらの時間のことを余裕時間と称していますが、損保指数の場合は正味作業時間に30%を加算しているそうです。 

 私には、この余裕率30%の妥当性の是非は判りませんが、先に述べた様に一切の迷いなく作業を行うことは、実務上大変厳しいものであろうと感じます。これが、クルマの生産ラインにおいて細分化された作業(タクトタイム)であれば余裕率はもっと小さいのでしょうし、それでも達成しえるからこそ製造ラインは遅滞なく可動しているのです。しかし、整備工場や板金工場における作業となるとあまりにも環境が違いすぎる様にも感じるところです。

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