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【書評】14階段

2022-10-10 | 事故と事件
【書評】14階段
 この本に辿り着く端緒になったのは、つい先日取り上げた「東京大空襲で一晩10万死者から見る統治者の思想」(10/8記述)で知った執筆者である”窪田順生”氏の名で図書館蔵書を検索し、数冊の該当本を借りだした1冊の表題だ。


 内容については、新潟少女監禁事件として知られ、新潟県柏崎市内の犯人宅(当時37才)において事件が発覚したのは2000年1月28日のことだが、9年2カ月前の1990年11月13日に同県三条市の被害者少女(当時9才)が行方不明になっていたのが拉致監禁されていたのが発覚したという驚くべき凶悪な事件だ。

 2000年というと22年前のこととなるが、当時9年を越えて少女を拉致監禁していたという事件報道に驚いたものだ。また、この事件、後に警察不祥事としてその名を残す「新潟雪見酒事件」という汚点が記録に残されていることも特筆すべき事項だ。

 さて、本の内容で知るが、表題の「14階段」とは、犯人宅の玄関入り口正面に2階に上がる階段があるらしいが、それが14段であったこと。犯人の佐藤宣行の生誕は父親が63才、母親が36才の時のことだと云う。父親は再婚らしいが、高齢で産まれた宣行を溺愛するが、まったくしつけることはできなかった様だ。そういう中で、宣行はワガママ放題に成長して行くが、最後には80を越える父親を家から追い出し、父親はその後死亡するが、60を越えた母親に殴るや仏壇に火を付けて脅すなど相当なワガママをし続けていた様だ。

 宣行は精神的に潔癖症といえる病的な精神疾患があったと本では触れられているが、この傾向は父親にもあったと記している。宣行は高校卒業後、何処かの企業に勤めたが、僅か3カ月で退職することになったらしい。その理由が、会社で小用をした際に蜘蛛に小水を掛けて汚れたと、無断で自宅に帰り入浴したことがあり、おそらく勤め先の上司と争いになり、退職することになった様だ。その後、二度と勤めることはなく、母親にすがり引きこもりの生活を続けていた様だ。その引きこもりのくせに、自動車免許を持ち、自分の関心あることには出掛けることもあったというのだから、単なるワガママとしか感じられない。

 この9年2カ月という長期の拉致監禁事件は先に記した様に90年11月に起きているのだが、この1年半ほど前に宣行は別の少女に対して性的な暴行事件で逮捕され、懲役1年執行猶予3年という判決を受けていたのだが、すかさず第二の犯行を行っていたというところが凄い。しかも、第2の犯行は少女行方不明事件だからして、そういう性的な累犯者として真っ先にピックアップされなければいけない警察のリストに、宣行の犯行は何故かなかったというのだからお粗末過ぎる。

 さて、事件全体の概要は、ウィキペデアで見てもらいたいが、ここには宣行の名前はSとされているのだが、自宅の住所はその写真と共に完全な住所が掲載されており、GoogleMAPのストリートビューで現在でもそのままの状態であることが判る。これだけの長期監禁をした犯行の断罪がたったの懲役14年と云うのは、量刑としてあまりに軽い様に感じてしまうところだが、刑法上の上限から来る限界なのだろう。宣行は14年の刑を2015年に満了し、地元の自宅に帰ることはなく、どうやら千葉市で生活保護を受けて生活していたが2017年ごろ孤独死しているのが発見されたとある。つまり出所後2年ほどで死んだ訳で、これ以上の被害を生み出す危険はなくなったのは自業自得と思える。なお、母親も宣行の収監中に死亡している。なお、Net探索中に見つけた、この様な犯罪者を含む生活保護者を対象にビジネスをして収益を上げている者が存在する様子を知ると驚く。(新潟少女監禁事件の元受刑者は死亡していた 性犯罪事件で逮捕された「ミスター慶応」との接点を参照)


 なお、GoogleMAPで犯罪者宅(監禁場所)付近を広く見た地図を別添しておくが、東電・柏崎刈羽原発まで約6km、そこからさらに数キロ北側には、故田中角栄元総理の生家があるという地だ。


 それと、気の毒なのは9年2カ月を拘束と恐怖の生存を強いられた被害少女だ。当初は栄養失調と極度の運動不足などで、歩行もできない状態であったということや、対人恐怖で実の父親にも恐怖心を表さす状態であったと云う。こういうことを考えると、本人がまったく望まない9年にもおよぶ監禁状態と極度の精神的圧迫状態に置かれたこと。また、その両親は娘の安否をどのように思いながら生活していたかを想像すれば、当然民事上の損害賠償請求権が生じる訳だが、何らその様な動きはなかったのかと思うところである。つまり、端的に述べれば、今や無人となった犯罪者宅は、おそらく母親が所有権を持っていたと想像できるのだが、とてもこの家に価値があるとは思えないところもあるが、坪数で5、60坪程はありそうな土地の処分した金額では到底間尺に合わないが、処分してせめてもの慰謝料代わりにこの被害者に渡る様にできないものかと思ってしまうところだ。
 
 以下Netで見つけた本事件に関連するリンクを記録しておきたい。


・新潟少女監禁事件 wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E5%B0%91%E5%A5%B3%E7%9B%A3%E7%A6%81%E4%BA%8B%E4%BB%B6


・新潟少女監禁事件!佐藤宣行(犯人)と被害者の現在とその後!
WINDY 2019年03月14日公開
https://windy-windy.net/niigatashojokankinjiken-satonobuyuki


・新潟県警本部長以上に罪が重い警察庁
http://www.kcn.ne.jp/~ca001/H25.htm


・新潟少女監禁事件の元受刑者は死亡していた 性犯罪事件で逮捕された「ミスター慶応」との接点
デイリー新潮 2021年02月05日
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/02050601/?all=1


#新潟少女監禁事件 #雪見酒警察事件 #生活保護搾取事業


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