私の思いと技術的覚え書き

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マグネトー点火のことなど

2017-02-12 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ホンダについて勝手な思いを記したのだが、予想を越えて多くの感心とコメントを戴き嬉しく感じている。今回は、ホンダを称える話として一点記してみたい。

 それは、スーパーカブのことだ。販売開始が1958年(S33年)から現在も継続生産されており、2014年3月時点での累計生産台数8700万台以上、輸送用機器の1シリーズとしては世界最多量産・販売台数を記録しているという驚くべきバイクだ。もちろん、車体を含め各所の変更を行いつつ継続生産している様だが、オリジナル設計およびコンセプトの正しさがあったればこその偉業だろう。

 ところで、表題のマグネトーのことに話を移す。現在のスーパーカブは電子制御燃料噴射を装着(2007年9月以降)して、マフラー内の三元触媒により排ガス対策を行っていることもあり、点火方式もフルトランジスタ-によるバッテリー点火式となっているが、それ以前はマグネトー点火という方式であった。このマグネトー点火は、多くの旧車となる二輪車に使われているし、現在でもチェーンソーとか草刈り機の2サイクルエンジンは、ほぼマグネトー点火だ。

 このマグネトー式は、コイルに永久磁石による磁束の変化を与えると起電するという発電機の原理とイグニッションコイルが直結しているというシンプルなもので、厳密な点火時期を要する二輪車などではポイント接点を有しており、これが開く瞬間の一次コイルの自己誘導(数百V)から二次コイルの高電圧(万V)を得るものだ。なお、チェーンソーや草刈り機などの小型エンジンでは、ポイントを省略し、永久磁石とコイルの位置関係で決まる、少々アバウトな点火時期で可としたものだ。

 このマグネトー点火であるが、永久磁石による点火専用発電を行っているので、バッテリーがなくてもエンジン始動可能である。クルマの場合はスターターモーターが廻らないから非現実的だが、バイクはキックスタートが可能。また、現在の航空機でガソリン・レシプロエンジンのものは少ないだろうが、かつてあった航空機用エンジンは、多くがマグネトー点火だったと解説されている。先の大戦におけるゼロ戦(栄21型)なんかも、当然マグネトー点火であった様だ。これは、航空機の場合エンジン停止が墜落へ結び付くことから、信頼性を重視するが故だろう。

※以下は、マグネトー点火の実物(スーパーカブのもの)を、非常に判り易く参考となったので引用させて戴く。

ポイント制御のフライホイールマグネトー点火

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