私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

外資による日本企業買収に思う

2018-08-17 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 昨今、表題のケースを聞いたり、しばらくしてから認識し、これは日本経済の限界感を表す事象なのかと、ちょっと驚くことがある。そもそも、この様な外資買収は、過去日産自が苦境に陥りルノーに買収されたのが最大のものだったのだろう。おかげで、日産はルノーから送り込まれたゴーンの意のまま、自らの身体を切り刻みつつ、縮小均衡を図って立ち直った。また、最近の事例では、液晶パネルに主軸を置き過ぎ韓国との価格勝負行き詰まったシャープが鴻海(台湾)に買収された事例も記憶に新しい。日本の一国民というスタンスで、このようなニュースに触れると、自らとは直接関係はないにしても、なにか無念というか残念だという気持ちを持たざるを得ない。しかし、潰れるよりは、まだましかという思いだ。

 クルマの世界でも,かつては様々な個性あるクルマを作り続けて来た英国に、今や本来のオリジナルメーカーは一切残っていない。残ったのは、買い取られたブランドだけだ。一方、何かとユニークかつ超スーパースポーツ&エキサイティングなクルマを作り続けたイタリアだが、ランボルギーニ(アウディに買収)以外は外資に買収されることなくオリジナルメーカーが残っている。ただし、ランボ以外のすべてのイタリアメーカーは、フィアット傘下の企業となっている。この辺りは、その時代と国家としての考え方だろう。そういえば、排ガス絡みで詐欺とも云えるハレンチ事件で名を馳せたVWだが、もしこの企業が浮沈の瀬戸際まで追いやられたとしたら、ドイツ国家は国家予算を注ぎ込んでも潰さぬだろう。

 自動車メーカーほど大きくなくとも、自動車関係のサプライヤーでも、あれ、いつの間に外資名に社名が変わっていると気付かされる例がある。2つほど記して見るが、他にもあるのだろう。

 1つは、元来の栃木富士産業だ。ビスカスカップリングやドライブシャフトでは、日本でも有数のサプライヤーだった。それが、今や「GKNドライブラインジャパン」という社名になっている。GKN社は英国企業である。想像だが、元来の栃木富士の株式を持っていた日産が株式を手放したことが要因ではなかろうか。

 もう一つは、我が住まい地に本社・工場がある戦前設立の国産電機という企業があるが、最近知るが「マーレエレクトリックドライブズジャパン」という社名に変わっていることを知った。マーレとはドイツのピストン製造でシェア世界1位というサプライヤーだ。この国産電機も、戦後は大手株主として日立グループ入りしていたのだが、日立自体がリストラの一貫として株式をマーレに譲渡したことで、こうなった様だ。この国産電機だが、マグネトーというスパークプラグに高圧放電させる装置を戦前から作ってきた企業なのだ。今は航空機にレシプロエンジンは極少ないが、先の大戦における航空機は、すべてマグネトー点火という永久磁石の発電による点火システムを持っていた。これは、乗用車などのバッテリー点火と異なり、バッテリーがなくともエンジン始動が可能だとか、信頼性が高いとかの理由による。なお、マグネトー点火式は、今でも2輪車とか農機具用小型エンジンには多用される方式だ。

※写真は沼津市図書館で見た昭和31年の沼津市商業年鑑での国産電機の広告だ。


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