私の思いと技術的覚え書き

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電動パワーステリングのこと

2008-03-28 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 このところのクルマには従来の油圧式パワーステリングに変わり、電動式のパワーステアリングの採用例が増加してします。電動パワステは、元々は軽4輪車で採用されだしたメカニズムですが、昨今はレクサスLS等の大型高級乗用車にも採用される程、その普及占有されつつあります。
 この電動パワステのメリットは、燃費性能の向上にあります。油圧ポンプを常時回し続ける必要がなく、必要な局面でのみモーターを回してパワーアシストすることにより、燃料消費を低減できる訳です。それと、高級車を中心に、車両安定制御(スタビリティコントロール)機能として、アクティブステアリングや、ブレーキ等の制御と協調統合制御し易いことがあります。すなわち、ステアリングの切り足し切り戻しのアクチュエーターとしての機能も持たせ易いといったこともあるのだと想像します。
 ところで、この電動パワーステアリング車を運転すると、どうにもそのステアリングフィールが気になる場合があります。直進状態からステアリングをゆっくりと切り始めるとき、何故か粘っこく重く感じられる場合があるのです。また、旋回中のステアリング切り足し、切り戻しおいても、妙に違和感を感じる場合を垣間見ることがあるのです。
 電動パワーステアリングのパワーアシスト機構は、コラム部に装着されるものや、ステアリングラックに装着されるもの等があります。これらは、何れにしてもパワーアシストする瞬間は、電動モーター内のアーマチュアが慣性に抗して回転が立ち上がりアシストと開始するという宿命があります。このタイムラグが、ドライバーに違和感を生じさせる要因となるものと思います。パワーアシストメカニズムの改善や制御ソフトの改良により違和感は相当になくなりつつありますが、良くできた油圧(ハイドロリック)パワーステアリングには、そのフィーリングでまだまだ敵わない場合が多いと感じます。

追記
 現在の乗用車は駆動方式に関わらず、ステアリング機構はラック&ピニオン式がほとんどを占めます。ところで、このラック&ピニオンギヤの配置ですが、国産車ではそのほとんどがステアリングナックルの後ろ側に配置されています 。ステアリBmw_e46ングホイールからの入力をギヤに伝達させる都合上も、後ろ側に配置した方がレイアウト的に問題が少ないためと思れます。しかし、欧州各車(ベンツ、BMW、ポルシェ等)を眺めると、レイアウト的に不利になるにも関わらず、ステアリングナックル前方にギヤを配置したクルマの多いことに気付かされます。旋回時に中心となる車両外側の前輪を、後ろ側配置ではタイロッドを押すのに対し、前側配置ではタイロッドを引くことになります。この優劣は私には判りませんが、多数の欧州車が国産車と異なる配置としていることは気になることです。


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