私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

レクサス辛口批評のこと

2007-08-25 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 今週は暑い一週間でした。しかもお盆休み開けで、我々業種(当然自動車整備&板金関係の方々も同様と思います)も大変忙しい週となりました。そんな中、週の後半には対物賠償事故用のレンタカー代車が出払ってしまって、その手配に困難を来す様なことまで発生しました。なお、乗合アジャスターおよび自動車関連業種の方は、本日および明日も業務関連で忙しさが続くと思います。大変ご苦労様です。

 さて、今回の話題としてレクサス車のことについて、私が感じる「独断と偏見」の目で、ちょっと辛口の批評を記してみます。(だいぶ長文となってしまいましたが興味ある方のみ見て下さい。)

1.レクサスのブランド力について
 ご存じの様にレクサスという新ブランドは、トヨタが新たに生み出した高級車専用の販売チャンネルです。トヨタが初代LS(国内での初代セルシオ[UCF10型])の発表と共に、米国において新販売チャンネルとしてレクサス販売店の立ち上げを図り、今や米国でのレクサスのブランド力はメルセデスベンツを凌駕しようとするまでに高まっているとも伝わっています。
 しかし、国内でのレクサスのブランド力は、その立ち上げから2年までを経ていないこともあるとは思いますが、まだまだの感を持ちます。例を引けば、現在私が乗って中古BMW(E46右ハンドル)でも、全然クルマに興味がないおじさんやおばさんから、「あら外車ね」とか「BMね」等と認識してくれますが、仮に私がレクサスでの同格車であるISに乗っていたら、同様の反応が返って来るかと云ったら、まずないのではないかと思います。そんな訳で、国内でのレクサスのブランド力はまだまだの感を持つのです。

2.レスクサス販売店の敷居の高さについて
 仕事柄、国産車や輸入車を含めて、色々な販売店(ディーラー)を訪ねることが多くあります。そんな中、一般の方には、輸入車ディーラー等は敷居が高く感じられるのではないでしょうか。(気後れして入りにくい等のことです。私は、そんなことは、一切関係なく出入りしていますが。まあ、業務上のことですから。)
 ところで、国内のレクサス店は、その店舗作りや店内の雰囲気等そのイメージは、輸入車ディーラーを凌ぎ、さらに敷居を高くしている様にも感じられます。(私はそんなことはお構いなしに出入りしていますが、確かにそう感じられます。)
 これらのことから私が思うのは、幾ら高級車ブランドで富裕層のユーザーをターゲットにしているからと云って、ここまでの店舗イメージを作るのは、少なくとも現在の日本の実情にアンマッチではないのかとも感じられることなのです。

3.最新レクサスLS辛口寸評についてLexus_ls460
 国内レクサス店では扱い車種として、現在IS、GS、SC、LSの4車種の販売を行っていますが、個人的にLS以外のクルマには、そのデザインも含め全然興味が湧かないので、LSについて以下に記してみます。なお、私はこの新型LSに乗ったこともないですので、あくまでも新型車の紹介記事や実車を見て気がついたこと等を前提としてのものです。
 新型LS(型式USF40、UVF45、UVF46)については、その型式からも従来のセルシオの4代目であることが判ります。車両の作りや品質、そして新機構や安全装備の数々といったメカニズムには、従来のセルシオから、さらにバージョンアップしたものであろうと思います。

 さて、辛口寸評の本論として以下の2点を述べようと思います。

①エンジンルームのカバーリングについて
 従来のセルシオ(30系)や他の国産高級車(現行シーマ等)でも同様ですが、新型LSでも同様でボンネットを開くと、エンジンルーム全体がカバーで覆われていLsenginroomます。
 まず、エンジン部分のカバーのことですが、安っぽいプラスチック製のカバーでV8のロゴが付いています。これについては、クルマ好きにとってメカニズムの魅力というものをまったく感じさせてくれません。私は過去に初代セルシオ(UCF11型)を所有していたことがありますが、同じV8エンジンでもエンジン本体がカバーリングされていることはなく、如何にもV8エンジンだなぁというメカニズム的魅力が感じられました。しかし、この様なエンジン部分のカバーリングは、今や輸入車のベンツやBMWでも同様であり、クルマ好きにとっては残念な世界的流行だなぁと感じています。もしかしたら、エンジン本体でのメカニズム的デザインを行うより、プラスチック製カバーで覆うことによりコストダウンを図っているのだとも想像されます。※フェラーリやランボルギーニ車が、この様なエンジンカバーリングをしたら絶対売れなくなると思います。
 次に、エンジン部以外のカバーリングについてですが、これは日頃のユーザーによる点検を困難にしますし、もしかしたら点検整備事業を行う工場ですら、これら総てのカバーを外しての点検を行わない可能性が生じて来るのではという懸念を持ちます。幾らクルマの品質が上がっても、機械である以上、水漏れ、油漏れ、燃料漏れ等々、重大な故障原因の予兆となる事象がいつ起こらないも限りません。従って、これら予兆の発見を遅らせたり困難にするエンジンルーム全体を覆うカバーリングは、大げさですがクルマの開発設計者としての良識を欠いたものであるとも感じられます。

②助手席エアバックとインパネセーフティパットについてLs600hl
 新型LSの一定速度以上での前面衝突では、 両席エアバックおよび両席ニーエアバック(乗員の膝部を保護する)の合計4個のエアバックが作動します。しかも、助手席側には、シート部に乗員検知センサーが装備されており、助手席乗員が乗っている場合のみ作動する仕掛けとなっています。このことは、乗員の安全を保護する非常に結構なことと思います。
 しかし、問題なのは助手席エアバックが作動した場合に、インパネセーフティパットと突き破ってエアバックが展開することなのです。助手席側エアバック作動時に、インパネセーフティパット自体の本体費用(現在価格44,700円)を生じるのみならず、この様な大型樹脂部品の産業廃棄物を生み出してしまうことを問題として感じます。
 なお、LS600系の一部高級グレード(バージョンUおよびhL車)にはインパネセーフティパットに本皮張りのもの(驚いたことに現在価格415,000円の様です)がありますが、こちらには助手席エアバック部に専用の小型カバーが装着される様になっている様です。従って、革張りでない通常のインパネセーフティパットであっても、助手席エアバック部の小型カバーは設計次第で装着できるはずです。たぶん私の想像ですが、インパネ部の見栄えを優先し、この様な設計にしているのだと思いますが、大げさですが クルマの開発設計者としての良識を欠いたものであるとも感じられます。


最新の画像もっと見る