私の思いと技術的覚え書き

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新幹線先頭車両の製造

2020-08-11 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 先程Netで名古屋のデパートで最近登場し走り始めているJR東海N700S型の先頭車両のアウターパネルカットパーツ(といっても長さ6m、高さ2mの大物)がデモンストレーションとして展示されるとのことだ。


 確か新幹線の1両の長さは25mだが、先頭車はこの内9m近くをスムーズな3次元曲面形状にして、空気抵抗を抑えている。この製造だが、量産自動車みたいに製造ロットが大きければ、プレス型を作って精度高く量産出来るのだろう。当然、プレス型といっても、この様な大物を一体プレスは形状的にも不可能で、分割しつつ行うしかないが、いかにせよ製造ロッドが千台に満たないとなると、プレス型コストが吸収できない。

 従来、300系の初期型頃までは、熟練板金技能者が、手で打ち出し板金作業を行っていたそうだ。しかし、流石にNC機械では世界最先端を走る我が国である。3次元CADデータで、NC機械やロール機械を駆使して、現代ではさほどの板金技術者でなくても作業が高精度に出来る時代になっているようだ。
 これは日立の例だが、新幹線製造は、日本車輌(豊川)、川重、日立、その他で作っており、それぞれで使用する機械や工法は異なるのかもしれぬが、機械化されつつある様だ。

 Youtube動画を見ていると、直接のマシニングでの切削動画は省かれているが、戦闘流線型部々のパート事に、前後のバルクヘッド厚材と、適宜削り代を持たせたリブ材を等間隔で組み上げ固定しておき、このリブ表面(外形)をCADデータで3次元加工しているようだ。そして、アウタースキンのアルミ板材を幅20cm程度の細長い短冊状にリブ部に貼り付けていく工程で、剛性を持たせた綺麗なボデーが完成するということらしい。

近年の製造工程
日立 新幹線電車の先頭部分など流線的な三次元曲面の構造体に適した機械加工法を開発
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2001/0926b/index.html


N700S新幹線先頭車組み立ての様子 2017/10/01
https://www.youtube.com/watch?v=aKRZjCxdI9Q


昔の手作業工程
板金修正を思う 2008-11-12
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/preview20?eid=7c0a5dae1e1cc65db05b6d402bde0e8e&t=1597147608281


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