私の思いと技術的覚え書き

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車両火災すわ車両保険の対象か?

2020-10-30 | 事故と事件
 最近受けた相談案件からだが、「車両火災が発生してしまったが車両保険の対象となるか?」というものだ。単純にこの質問に答えるなら、車両保険には一般型(オールリスク)とエコノミー(車対車限定)の二種があるが、火災や盗難など走行リスク以外の事故は、保険でカバーできるという答えになる。ただし、車両保険限らずだが、すべての損害保険は「急激かつ外来の偶然な事故」を大前提としていることは大前提だ。

 そんなことも前提に、質問者には、幾つか逆質問を行った。①火災はどんな状況で起こったのか。②その火災車は新車からどの程度の期間使用していたのか? の2点を問いただして見た。そうしたところ、出火原因はよく判らない。新車からの使用既刊は8ヶ月しか経ていないとの答えであった。

 そこで、私の回答は、だったら新車保障の範囲に入るでしょう。だから、購入した店で、保障の範囲だと思えるから、保障して欲しい旨訴えるべきが最初の話しでしょうと答えたのだった。その上で販売店が、出火原因を調査し、原因はカクカクシカジカの理由で、新車保障の対象にならないという説明があり、そのことの妥当性が確認できたら、それから車両保険の適用を検討すべき問題だろうということなのだ。ちなみに、この質問をして来たのは、一般世間では保険にある程度詳しいとされている者なので、当方としてはなんていうことだと嘆く思いを持つ。

 さらに追記しておきたいが、世の工業製品などの故障率と使用期間(時間)の間には、俗にバスタブカーブという曲線グラフになることが知られている。つまり、①使用期間の初期はある程度故障率が高く、②その後低下しつつ一定化し、③さらに使用期間を経ると使用損耗だとか寿命により増加するというものだ。ここで、保険の対象となるのは、先の②の使用期間の中期となる故障が低下しつつ一定化した、つまり偶発的な故障の期間ということになる。

 ここで①の使用の初期が故障率が高いと云うのは、設計だとか製造の不良により故障原因が内在しているケースが多いとされているからだ。つまり、この①の期間は、そもそも「急激かつ外来の偶然な事故」に該当しない可能性が高くなるなお、③の使用損耗による故障率の増加期間も、「急激かつ外来の偶然な事故」に該当する、いわゆる故障損害として保険の対象とならない。


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