先日の台風9号一過で、蒸し暑い週末でした。
さて、今回は車両盗難や車上荒らしといったことに関連して記してみます。
我が国での自動車盗難件数は、ここ10年程度前より急増し始め2003年前後での全国で年間64千台をピークに、近年は減少傾向(それでも年間35千台程が盗まれています。)を示しています。また、地域別の格差が大きく、ベスト5の都道府県は、大阪、千葉、愛知、埼玉、神奈川となっています。これらの詳細は下記のHPリンクを参照下さい。
現在の私の所在地である静岡県は少ない方ですが、過去に勤務したことがある、神奈川県および愛知県では、やはり多いなというのが実感でした。神奈川勤務の時は、発見された盗難車を警察に引き取りに行ったことも数回ありました。その時の警察の方の話ですと、現在の横浜港ではコンテナでの輸出品は内部をX線で透視し盗難車等の監視を強めているとのことで、現在は富山港経由へのルートがある等と云っていました。
また、盗難だけでなく、いわゆる車上荒らしも同様の傾向で多発していると感じます。これも、私が愛知県で実体験した事故(事件)ですが、スカイラインR34GT-R・VスペックⅡニュル仕様車が盗難された案件を記します。この車両は盗難され翌朝には比較的近郊で発見された(警察と一緒に私も発見現場に臨場しました。)のですが、その車両状態には驚きました。タイヤ&ホイールは当たり前としても、各4輪のブレーキキャリパーやディスクローター、フロントバンパー、インタークーラー、室内ではレザーシート1台分総て、ナビゲーションやオーディオ等々が外されてしまっているのです。この車両にはイモビライザーおよび別途の盗難防止装置(車両に異常を検知すると携帯電話に通知されるという高度なもの)までも装着されていました。ユーザー(契約者さん)にたずねると、1度警報が出されたので車両を確認を行ったが異常はなかったので安心していたら、翌朝には車両が消えていたとのことです。この理由は、車両の修復過程で判明しました。車両のワイヤーハーネスが各所で切断されていたのです。犯人は、まずフェンダーライナー等をめくり、ワイヤーハーネスを切断後にドアの解錠を行ったのだと思います。なお、車両後部バンパーには他の車両で押し出したと思われる凹損も生じていました。結局この車両は600万円の車両付保がなされていたのですが、実修理費に400万円近くを要しました。(その80%近くが部品代でした。)
最近のニュース等での関連記事では、信号待ちで停止中の高級車に後方から軽く追突し、慌てて降りて来た運転者が近づいてくる内に、別に待機していた者が乗り逃げするという新手の窃盗団までがいると報じられています。本当に物騒な世の中になったものだと感じます。
追記
この様な盗難被害は日本だけの話ではありません。欧州等では、我が国より相当以前から盗難被害が続出しており、頭を痛めた保険会社は、その車両の防盗性を評価しつつ、車両保険料へ反映させる等の対策を行って来たと伝えられています。その様な要因もあり、欧州車では、より防盗性を高めるための内溝式のキーやイモビライザーの設定、より強度の高いドアサッシュ等といった対策が、日本車より早くから導入されて来たのです。それと、盗難事故には、もう一つ問題点があります。それは、全体の中では極僅かであろうと信じますが、ユーザー(契約者)自体のモラル性の問題なのです。この、モラル性の問題は、またの機会に記してみたいと思います。
【参考までに】ドイツでの盗難車事情
- 熊谷徹(ドイツ在住ジャーナリスト)のHP
- 保険金詐欺との闘い(上) 上記HP内の関連項目への直リンク
- 保険金詐欺との闘い(下) 〃
※上記HPは、自動車関連としてのHPではないのですが、ドイツでのアウトバーンでの走行実態のことや、BMW社やポルシェ社のこと等、興味をそそる記事が見られます。