私の思いと技術的覚え書き

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最近読んだ本[人切り半次郎]

2012-10-08 | コラム
 表題本は池波正太郎氏の時代小説ですが、中村半次郎こと俗称が人切り半次郎(維新後改姓して桐野利秋)のことを表したものです。同作家の西郷隆盛に続き、大変興味深く、魅力溢れる痛快男子録として読みました。

 桐野利秋は明治維新がなって、初の陸軍少将(西郷隆盛は陸軍大将)となる訳ですが、維新以前から西郷隆盛の第一の補佐役を任じ活躍してきたことが理解されます。そんな中。影の執行者として暗殺なども実行し、「人切り・・・」などという俗称が生まれて来たのでしょう。

 しかし、池波小説を読むまでに桐野利秋に抱いていた、ちょっと粗野で陰惨とも感じるイメージを随分変えるものだったと思えます。体育会系気質で日々剣の錬磨も欠かさない一方、伊達なしゃれ者でロマンチスト、女好きだがメチャクチャ弱い女もいると・・・。

 以前に、司馬遼太郎氏が「翔ぶが如く」で表す西郷隆盛と、池波正太郎氏が表した西郷の違いのことを記した覚えがあります。これは中村半次郎についてもまったく同様で、教養のまったくない粗野な派手者ではなく、これが世に言う薩摩隼人の代表みたいな好男子と読み取りました。



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