ラッシュアジャスターと聞いて、何のこと?という方は少ないという前提で話しを記してみたい。
その昔(と云っても私が車に触れだしたころ、さよう40年程)は、ハイドロリックタペットなどと呼ばれ、トヨタだとセンチュリーのV8エンジンにしか使われていなかった部品だ。それが、私の記憶では、1S(L4、1800cc)エンジンで初採用され、その後このエンジンを原形とする1Gエンジンシリーズ(ツインカム除く)にされるなど普及しだした。現代では、ガソリンエンジンでは、普通車から軽自動車まで含め、大多数のエンジンに採用されているメカニズムだ。
ラッシュアジャスターは、エンジン油圧が図1のオイル穴に作用しているので、ラッシュアジャスターの内部はオイルが充満している。また、ラッシュアジャスターの現車から取り外して観察すると、同アジャスターは最大限に伸びている。ここで、頭の部分を強く押し付けてみると、目視で1mm前後しかストロークしない。ところが、頭の穴から細い棒(図では6角レンチの1.4mmサイズ)を突っ込んで、図1のチェックボールを押し開いた状態にすると、最小限に縮まる。この最大と最小の有効ストロークは目視で3mm前後と見える。
つまりチェックボールが閉じた状態(通常の稼働状態)では、スプリング室に必要量入ったオイルの液圧上昇で、強い力でも縮まないことから、バルブクリアランスをゼロに保つ機能を発揮する。
なお、新品部品の取替とかオーバーホールで同アジャスター付近を分解して再組立する場合、エアー抜きが必用とされるが、これは軽油中で、先に記した頭の穴から細い棒を突っ込んで、有効ストローク全域を何度かストロークさせて行うという。ここで、何故軽油なのかだが、通常のエンジンオイル中で先のエア抜き動作をさせることで、内部のエアーを抜くことが出来るが、これをそのままエンジンに組み込むと、全バルブが突き上げ状態(開放された状態)となって、しばらく復帰出来ない。
関連するある方のブログ記事を見たら、全バルブ突き上げ状態になって、24時間程経過して突き上げが開放されたが、一部部位の突き上げが開放されなく、該当バルブ位置をカム山頂上にして、さらに数時間で開放されたと体験談を記してあった。ここで、エア抜きについては触れていないが、おそらくエンジンオイルでエア抜きをしていたことに原因はあるのだろうと想像した。
つまり、同アジャスターの機密は特段シール機構などを有さず、内部のさほど強くないリターンスプリングの反発力で伸びようとしつつ、プランジャー部のリークと相まってバルブクリアランスをゼロに保つ。一方カム山で押し縮められようとすると、スプリング室は一方通行のチェックボール(弁)があるため、該当室の油圧が高まりそれ以上縮まないので、正常にバルブの開閉動作が行われる。
ここでラッシュアジャスターのトラブルについて記してみたい。
たぶん一番多いのは特定のバルブクリアランスが大きく、アイドリング時など「カチカチ」というエンジンン回転に同期した軽い打音を生じると云うものだろう。それも、エンジン始動して数分以内で消えると云うものが多いと想像する。
もし、この特定バルブの打音が何時まで経ても消えないという場合は、該当バルブのラッシュアジャスターを取り外し、チェックボールを押しながら全有効ストロークを引っ掛かりなくストローク出来るか、その後チェックボール閉状態で機密が保てるかを点検してみる必用があるだろう。なお、ラッシュアジャスターは分解不可のものが多く、打音が何時までも出続ける様なら、該当部のみ交換してしまった方が良い様に思える。と云うのは、単にチェックボールの機密だけでなく、プランジャーのカジリで動きが悪いとか、リターンスプリグの折損などの可能性もあるが、非分解で状態を確認しきれないためだ。それと、該当部品を交換するに際する工数はバカにならない程の手間を要するためだ。
それと、個人的にはこのラッシュアジャスターの装備車は、バルブの着座が弱まり(つまりやや突き上げ気味の状態)になりはせぬか。その場合、排気バルブの冷却が非効率となり、バルブの溶損トラブルを生みはせぬかと思い続けて来たのだが、あまりその様なトラブルは聞いていない。しかし、もし、排気バルブの溶損を現認した際は、併せて点検しなければならない部品だというのが見解だ。
その昔(と云っても私が車に触れだしたころ、さよう40年程)は、ハイドロリックタペットなどと呼ばれ、トヨタだとセンチュリーのV8エンジンにしか使われていなかった部品だ。それが、私の記憶では、1S(L4、1800cc)エンジンで初採用され、その後このエンジンを原形とする1Gエンジンシリーズ(ツインカム除く)にされるなど普及しだした。現代では、ガソリンエンジンでは、普通車から軽自動車まで含め、大多数のエンジンに採用されているメカニズムだ。
ラッシュアジャスターは、エンジン油圧が図1のオイル穴に作用しているので、ラッシュアジャスターの内部はオイルが充満している。また、ラッシュアジャスターの現車から取り外して観察すると、同アジャスターは最大限に伸びている。ここで、頭の部分を強く押し付けてみると、目視で1mm前後しかストロークしない。ところが、頭の穴から細い棒(図では6角レンチの1.4mmサイズ)を突っ込んで、図1のチェックボールを押し開いた状態にすると、最小限に縮まる。この最大と最小の有効ストロークは目視で3mm前後と見える。
つまりチェックボールが閉じた状態(通常の稼働状態)では、スプリング室に必要量入ったオイルの液圧上昇で、強い力でも縮まないことから、バルブクリアランスをゼロに保つ機能を発揮する。
なお、新品部品の取替とかオーバーホールで同アジャスター付近を分解して再組立する場合、エアー抜きが必用とされるが、これは軽油中で、先に記した頭の穴から細い棒を突っ込んで、有効ストローク全域を何度かストロークさせて行うという。ここで、何故軽油なのかだが、通常のエンジンオイル中で先のエア抜き動作をさせることで、内部のエアーを抜くことが出来るが、これをそのままエンジンに組み込むと、全バルブが突き上げ状態(開放された状態)となって、しばらく復帰出来ない。
関連するある方のブログ記事を見たら、全バルブ突き上げ状態になって、24時間程経過して突き上げが開放されたが、一部部位の突き上げが開放されなく、該当バルブ位置をカム山頂上にして、さらに数時間で開放されたと体験談を記してあった。ここで、エア抜きについては触れていないが、おそらくエンジンオイルでエア抜きをしていたことに原因はあるのだろうと想像した。
つまり、同アジャスターの機密は特段シール機構などを有さず、内部のさほど強くないリターンスプリングの反発力で伸びようとしつつ、プランジャー部のリークと相まってバルブクリアランスをゼロに保つ。一方カム山で押し縮められようとすると、スプリング室は一方通行のチェックボール(弁)があるため、該当室の油圧が高まりそれ以上縮まないので、正常にバルブの開閉動作が行われる。
ここでラッシュアジャスターのトラブルについて記してみたい。
たぶん一番多いのは特定のバルブクリアランスが大きく、アイドリング時など「カチカチ」というエンジンン回転に同期した軽い打音を生じると云うものだろう。それも、エンジン始動して数分以内で消えると云うものが多いと想像する。
もし、この特定バルブの打音が何時まで経ても消えないという場合は、該当バルブのラッシュアジャスターを取り外し、チェックボールを押しながら全有効ストロークを引っ掛かりなくストローク出来るか、その後チェックボール閉状態で機密が保てるかを点検してみる必用があるだろう。なお、ラッシュアジャスターは分解不可のものが多く、打音が何時までも出続ける様なら、該当部のみ交換してしまった方が良い様に思える。と云うのは、単にチェックボールの機密だけでなく、プランジャーのカジリで動きが悪いとか、リターンスプリグの折損などの可能性もあるが、非分解で状態を確認しきれないためだ。それと、該当部品を交換するに際する工数はバカにならない程の手間を要するためだ。
それと、個人的にはこのラッシュアジャスターの装備車は、バルブの着座が弱まり(つまりやや突き上げ気味の状態)になりはせぬか。その場合、排気バルブの冷却が非効率となり、バルブの溶損トラブルを生みはせぬかと思い続けて来たのだが、あまりその様なトラブルは聞いていない。しかし、もし、排気バルブの溶損を現認した際は、併せて点検しなければならない部品だというのが見解だ。