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新型レヴォーグでブレーキ関係リコール続く

2021-05-15 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 最近は、いけないこととは思いながらも新型車への関心が薄れ、昨年11月より販売開始したスバル・レヴォーグ(VN5)で、3月5日付けおよび4月1日付けで、2度のリコールを届け出ていることに気づいたので触れておきたい。

 この内、3月5日付けのリコールは、ブレーキマスターシリンダー部に装着されるブースター(倍力装置)が該当車では旧来のバキュームサーボ式でなく電動サーボ式が採用されているが、この内部不具合が生じる製品ロットがあるとのことだ。と云うことで、昨年11月から本年2月5日の対象車について、該当装置のシリアル番号が該当するもの(サプライヤでの製造期間に準じるのだろう)は、電動ブースターユニットを新しい良品に替えるリコールを行うとの内容だ。

 販売開始から僅か3ヶ月余ほどの短期間だが、不具合件数(あくまで認知されたものだろう)45件、物損事故1件を生じているという。当該期間の対象台数12千台余だが、まともに市販前のテストをやっているのか疑いたくなる内容と感じる。

 なお、Netをサラッと検索した限り、本件不具合の電動ブレーキブースターは、ボッシュ社製とのことだが、本件の電動ブースーターはいわゆるブレーキバイワイヤー機構で、ペダルストロークを検出して、マスターシリンダー油圧を非線形に作り出したり、坂道での後退防止や多分ABSやESC(スタビリティ制御)の機能も統合したユニットだろうと想像する。

 次に4月1日付けでのリコールは、衝突被害軽減ブレーキに関するもので、スバルが一躍「アイサイト」名で名を上げたフロントガラス上部に装着されるステレオカメラの対象物検出機構の不具合だ。不具合は対象障害物を過敏に検出することで、運転者の意図しない場面で、接近警報音やブレーキが作動することがあるとのもので、制御プログラム(ソフトウェア)を書き換えて対応するとしている。

 ここで、アイサイトは既に採用され出してから、5年程は経ていると記憶するが、当初の対車とか固定物だけでなく、対人間など対象検出性能をバージョンアップしているのだろう。Netをサラッと検索したところ、下記に転載した記事を見つけた。これによれば、ステレオカメラのサプライヤが従来の日立オートモーティブではなく、スェーデンのVeoneer社製にしたことで、画像素子の解像度を従来比2倍に上げ、検出画角(範囲)も、従来比2倍に上げたそうだ。この結果が、今次リコールのいわゆる誤検出の無用ブレーキ不具合となった様に想像する。

 しかし、この自動ブレーキの不具合も、販売開始から僅か4ヶ月余ほどの短期間だが、不具合件数(あくまで認知されたものだろう)34件、物損事故1件を生じているという。当該期間の対象台数19千台弱だが、まともに市販前のテストをやっているのか疑いたくなる内容と感じる。





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【スバル レヴォーグ 新型】新世代アイサイトはスウェーデン社製に…日立から切り替えた理由2020年8月23日(日)12時30分
 新世代アイサイトは従来比2倍の広角化を実現した上に、前後左右にレーダーを備えて検知範囲を拡大した検知範囲を拡大したことで新世代アイサイトが実現する4つの安全運転支援新世代アイサイトは。左右幅を従来と同じにしながら検知範囲を2倍にまで拡大したイメージセンサーはオン・セミコンダクター社製の1/3CMOS。画素数は230万画素と従来比約2倍となったオン・セミコンダクター社は車載用イメージセンサーで圧倒的シェアを誇るこの日は新世代iアイサイトに使われたCMOSでダイナミックレンジの広さをデモしていた
スバルはこの秋に発売する新型『レヴォーグ』で「Eyesight(アイサイト)」を一新する。そこでもっとも驚いたのは、中核となるステレオカメラの調達先を、これまで採用していた日立オートモティブ製から海外製へ変更したことだった。そこにはどんな意図があったのだろうか。

「基本的には機能とコストのバランスを考慮した中での選択です」と話すのは、スバル先進安全設計部主査の丸山匡氏だ。アイサイトは2008年に現行のベースとなる第1世代が登場し、その時点から日立オートモティブと共同で開発して来ている。その後も機能アップを重ねてVer. 3まで世代を重ね、その優れた制御技術は世界でもハイレベルな水準にあり、それがスバルの先進安全運転支援システム(ADAS)に対する評価を高めてきたのは間違いない。

一方で、アイサイトの課題となっていたのは、ステレオカメラの検知範囲の狭さにあった。この狭さ故にACC制御中の急な割り込みに対処できないことも少なからずあり、近年は交差点における衝突被害軽減ブレーキへの対応が自動車アセスメント(NCAP)の評価対象にもなっている。安全性を少しでも高めたいスバルとしてもこれらの対策は必須だったはずだ。当然、日立オートモティブにもその改良を求めたと思われるが、結果としてその求めに応じたのはスウェーデンのVeoneer(ヴィオニア)社だった。

このヴィオニア製ステレオカメラは、イメージセンサーにオン・セミコンダクター製1/3インチCMOSを組み込み、処理チップにはXilinx(ザイリンクス)社製を採用する。特にオン・セミコンダクター社は車載用チップメーカーとして圧倒的なシェアを持ち、アイサイトVer. 3でも既に採用済みだったという。そして、このCMOSが最大のメリットとしているものこそ広いダイナミックレンジである。カメラが苦手とする逆光下でも対応力が高く、この日のデモでも一般的なセンサーとの違いをアピールしていた。

このステレオカメラで実現できた画角は従来比で約2倍。捉える範囲を広げたことによって自転車や歩行者の横断にも対処でき、右折時の対向車に対してもプリクラッシュブレーキ制御が可能となったという。しかし、ヴィオニア製ステレオカメラで広角化できたとはいえ、広角化すれば遠くの被写体を検知するのが難しくなるはず。丸山氏はこの件について「広角化しても従来のステレオカメラと検知距離を同じにするために、CMOSの画素数を従来の120万画素から230万画素にまで高めて対応しました」と答えた。つまり、画素数が増えれば、被写体の像が小さくても早い段階から認識はできるというわけだ。

では、日立オートモティブはこの対応ができなかったのだろうか。同社がステレオカメラの広角化技術として実装済みなのがスズキ『ハスラー』にある。この技術では左右のカメラが検知できる範囲をそれぞれ外側にずらすことで検知範囲を拡大したものだ。単純に画角を広げるだけならともかく、これでは左右の視差から生み出されるアイサイトならではの高精度検知はできなくなる可能性がある。スバルとしてもステレオカメラの左右幅を頑なに変えておらず、そこには左右の視差に対するこだわりがあったはずだ。

もちろん、日立オートモティブも画素数を上げて広角化できいる技術もあったと思われる。しかし、画素数を上げればチップの処理能力も上げなければならず、丸山氏が言うように、そこには調達コストという問題が立ちはだかった可能性がある。この件に関しては具体的なコメントは得られなかったが、ヴィオニアはADAS部門で世界屈指の実績を持つ大手サプライヤーであり、こうしたコストへの対応も柔軟に行えたものと推察できる。

そして、新世代アイサイトではカメラで検知できない前側方から接近する出会い頭の車両も搭載した77GHzミリ波レーダーで検知(前側方プリクラッシュブレーキ)。また、プリクラッシュブレーキだけでは止まりきれないと判断したときはシステムが操舵制御を行って、回避スペースへの導くことができるという。そして、車線変更しようとした時に後側方にいる車両を見落としていると、リアに備えた24GHzマイクロ波レーダーによる「エマージェンシーレーンキープアシスト」が作動して警報と共に逸脱抑制をアシストするのだ。この万全の対応こそが新世代アイサイトの真髄とも言える。

しかも新型レヴォーグでは、このアイサイトの基本機能を全グレードに標準装備する。安全面においてグレード別での差を設けないスバルならではの考え方が活かされた格好だ。加えて、新型レヴォーグでは+35万円を支払うことで、渋滞時ハンズオフ走行やドライバーの異常を検知して自動的に減速→停止させる機能も一歩進んだ機能も装備される。その機能はまさにADAS搭載車として世界トップクラスと言ってもいいものだ。公道での実走行でその実力を試す日を楽しみに待ちたい。

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