私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

企業のご都合主義、何処まで排除できるか?

2020-09-03 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 毎朝のニュースサーチで興味深い記事(下記)と感じたものに、若干私見として言及してみたい。

 以下の記事では弁護士が答えているのだが、如何にも法律の視点だけから、思考しているのが丸判りで、如何にも予想できるものだ。つまり「労働契約で勤務地を限定している」ことだけを持って異議可能みたいな答えをしている。私が思うに、世間知らずの法律知識だけの能足りんの言だろう。

 こういう現実論を知らない弁護士に案件を依頼すると、勝てる勝負も負ける。つまり、人間の営みが法律だけで生まれていると大きな思い違いをしているからだ。こういう思考の人間に、仮に戦争指導を任せたら、米国みたいに法律論無視で力(軍事力を背景とした発言力)だけでムリ何段を仕掛けて来る国に、隷属するしかない。(現実にはそうなってしまっているののだが。)

 まあ、このパソナみたいな人材派遣業は世になくても、一向に困らない業種だからして、元々正規社員も少なく、労働組合もあったとしても、ただ在るという形ばかりのものだろう。本来なら、労働組合が先導し、全授業員の多くが反対していることを主張できれば、経営者には強行できないだろう。また。それでも強行したとしたら、世間の非難を受けるだけでなく、労働審判でも負けるだろう。

 しかし、世にはこの手の経営者のご都合主義が多過ぎる様に思う。ここで例に上げたいのは、5月1日より正式実行されたというトヨタの全国ディーラー1チャンネル化だ。この背景には、自動車新車需要の頭打ちもしくは減少の実態が明らかになったということがある。そこで、トヨタ本体としては、現在50車種を超える車種を半減させ、メーカー製造ラインの生産効率を原価を上げずに維持したいという本音がある。そこで、車種削減すると、車種別に存在価値を作り上げてきたディーラー秩序が崩壊せざるを得なくなる。そこで、メーカー都合だけの1チャンネル化が打ち出された訳だろう。従来、トヨタの全チャンネル、個別営業店は6千あまりあると聞く。各地方には、俗にディーラー通りという場所も多く、トヨタ系店舗が複数を超えて並んで居る場所もあるだろう。こういう店舗が、1チャンネル化で生存し続けることはあり得ない。たぶんトヨタ本体では、最終的に全国6千店が半減することを内心承知しているだろうが、そのことは口には出さない。
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パソナ、本社機能を移転 「淡路島には行きたくない」社員は拒否できる?
9/2(水) 10:03配信
弁護士ドットコム

人材派遣大手のパソナグループが、東京都千代田区にある本社機能を兵庫県の淡路島に移すと明らかにし、話題となっている。

※竹中平蔵氏「正社員をなくしましょう」・・・これが人件費圧縮だけを狙う竹中の真意だろう。

災害などに備え、東京への一極集中を避けるなどの狙いで、経営企画や人事などを担当する社員約1200人が移る見込みだという。計画は2020年9月から段階的に進められる。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、テレワークが大企業を中心に普及。「高い賃料等を払ってまで東京に本社を置く必要がない」という企業も現れている。しかし、社員にとって、遠方への移転は負担となり得る。

ネットでも、「自分ならすぐ辞める」「どこでも仕事できるなら移転も不要では」「移転拒否者に対する新手のリストラ案」など懸念の声が多く上がっている。

本社機能が遠方へ移転する場合、移転したくない社員はどうすればいいのだろうか。島田直行弁護士に聞いた。

●労働契約で勤務地を限定しておけば、法的に保護される

ーー本社が遠方へ移転する際の課題にはどのようなものがありますか

「本社機能の移転の場合には、通勤先が変更されるだけで業務内容に変更がありません。業務内容の変更を伴う一般的な異動とは、その点が違います。業務の効率性と通勤の負担のバランスをいかに実現するかが課題となります」

ーー社員が移転を拒否することは可能でしょうか

「企業は、経営判断として本社機能を移転できますが、社員の中には、親の介護や子どもの進学などの理由から通勤先の変更を拒否したい人もいるでしょう。

こういったニーズが具体的に権利として保護されるためには、労働契約で勤務地を限定しておく必要があります。たとえば、あらかじめ勤務地を東京に限定していた場合には、東京での勤務が法的に保護されます。もっとも、勤務地を限定していない場合がむしろ一般的でしょう」

ーー勤務地を限定していない場合は諦めるしかないのでしょうか

「勤務地を限定していない場合でも、企業に配慮を求めることはできます。社員は、特定の地域で勤務することの必要性と相当性を具体的に主張するべきでしょう。折り合いがつかない場合には、労働組合を通じて団体交渉という方法も考えられます」

●移転拒否しただけでは解雇できない

ーー移転を断固拒否した社員を、企業は解雇できますか

「企業と社員が協議して合意できない場合でも、企業は、本社機能の移転に反対したからという抽象的な理由だけで解雇することはできないでしょう。

日本では、企業に大幅な人事裁量権が付与されている見返りとして、厳格な解雇規制がひかれています。本社機能の移転は、あくまで企業の論理です。そのうえで配慮もなく社員を解雇できるというのはバランスを失しているでしょう。

現実的な解決策としては、配置転換あるいは退職勧奨ということになります」

ーー本社機能を移転させる企業は今後も増えそうです

「新型コロナウイルス感染拡大を受けてテレワークが普及し、オフィス不要論すら耳にするようになりました。

ですが、『実際に会う』という体験には代えがたいものがあります。多様な働き方が認められていくがゆえに、社員相互のつながりの象徴としてのオフィスは、場所と機能を変えつつも存在し続けるのではないでしょうか」

【取材協力弁護士】
島田 直行(しまだ・なおゆき)弁護士
山口県下関市生まれ、京都大学法学部卒、山口県弁護士会所属。著書に『社長、辞めた社員から内容証明が届いています』、『社長、クレーマーから「誠意を見せろ」と電話がきています』(いずれもプレジデント社)
事務所名:島田法律事務所
事務所URL:https://www.shimada-law.com/
弁護士ドットコムニュース編集部

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