私の思いと技術的覚え書き

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損保調査担当者と修理施工者の相対する思い違い

2021-08-17 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
損保調査担当者と修理施工者の相対する思い違い
 先日、あるSNSで板金の実績者に、そうでない者が意見するなに近い表現での批判を受けたことに関連して、私の考え方を記して見たいと思う。

 このことは、従前にも類似のこととして、本文末のリンクでも触れていることなのだが、「整備工場およびBP工場共だが、保険会社を毛嫌いする方を希に見掛けますが大きな勘違いしている方だと思って眺めている。」ということであるのだ。

 つまり、ここで云いたいのは、整備業であれ板金業であれ、幾ら世のプロと云われたり、雑誌などでは天才とまで表現される様な方であってさえ、広い世には更に上を行く者の存在を意識してもらいたいと思うのだ。本当のプロは、仮に人前で腕を誇ることはあったとしても、本音のところでは、自分が最高などと決して思わず、さらに上がいるだろうと意識せねばならないだろうと思う。自分が最高だと思った時、その者の進歩は止まり、後は下る方向へ流れるしかないのが世の常だと云うことだろう。

 つまり、幾ら自分の腕に自信を持つプロと云えども、他のプロでないものからの意見にも、まずは謙虚に意見に耳を傾け続ける必用があるといいたいのだ。なお、このことは、損保調査担当者もまったく同様で、接する修理担当者などから、疑問を投げ掛けられても、会社で決められていますとかいう安直な返事をするんではなく、何故そう判断するのかの根源を丁寧に説明する責務を負っているのだという意識が必用だろう。

 話しを若干見積論に移すが、そもそも昨今の損保調査担当者は、その主業務を修理工場との金額協定が主業務だと勘違いしている者が多すぎる様に思えるし、対外的にもそう見ている様に思う。

 私に云わせりゃ、とんでもない話しで、調査担当者の一番の主業務は、損保業界用語となるがモラルリスクの排除であって、嘘の事故を見破ることだと意識して来た。この主業務を済ました上で、修理費の打ち合わせを行うことになるのだが、ともすると損保の思考として、修理費はどこもかしこも同じでなければなければならないかの様な思いが内在している様に思えるが、これも大きな間違いだと思っている。私は、それなりの納得できる余地だとか理論的根拠があれば、修理費は異なって当然だとも思っている。

 また、最近もある講習で、正しい見積は修理実績者である施行工場だからこそ出せるのであって、損保の考え方に隷属してはならないという旨の話しを聞いた。これも、隷属する必用なんかないのは当然だが、正しい見積は修理を行った工場という部分は納得しかねる言説だと思える。

 そもそも、私は損保時代に、約10年以上新人や継続勤務者に見積論を教育する立場にあったが、そもそもある事故車を数十人に見積させると、その上下はある時は2倍程も差異が生じるという経験を何度もして来た。このことは、損保担当者でなく、板金修理の実務者を対象にして、同じことをやっても、大した違いはなく、見積額には大きな差異が生じるだろうと想像している。

 なお、損保担当者の前職が、板金実務の実績者だから精度が高い見積が作られるなんてことはないことも何度も実例を見てきた。

 これら実例は何を示しているのかを考えた時、修理担当工場および損保担当者共にだが、十分な見積技能を保持すると共に、その程度に立場上の差異が生じるのはある意味仕方のない側面があるが、見積とはある意味で客観性が求められるものであろうと思っている。つまり、修理担当工場にとっては、特に損保相手にすれば、相手を屈服させ得れば、高いことが利に結び付く訳で、高いに超したことはないと思っている方もいるのかもしれないが、ある意味エンドユーザーを無視した思考は、負の側面を生じて来るということを自戒しなければならないだろう。つまり、損保だって、あの工場は異常に高いとかいう声は拡散するし、そういうイメージがその勝負には勝てたとしても、結果として未来永劫継続するなんてことはない。損保側担当者も同じことが云えて、何時も何時も値切るのを繰り返していると、あの担当者はという悪評判はあっという間に修理業界に広まって、よし仇をとってやれとばかりに、その担当者が来た時様の見積を作って待ち構えるなんてこともあるだろう。
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年度末の忙しい中で・・・[愚人の思う見積論]
2018-03-27 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/1c8c88478beae5912e7decf1005659bb


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