私の思いと技術的覚え書き

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ARMをソフトバンクが手放したチャンスを逃したことを悔やむ

2021-02-13 | コラム
 昨年、ソフトバンクの持株会社であったARM(英)というCPUメーカー(ファブレスで設計のみ)を売却(4.2兆)してしまったことがあった。結局売却先は米NVDIAとなった訳だが、日本の大手メーカーなどに移管できなかったことは、将来的に大きな禍根を生じる様に感じる。

 世界のCPUメーカーを概観してみると、インテル、AMD、ARM、その他幾つかある様だが、何れにしても10に満たないメーカー総数だ。その中でもARMは、大規模システムというより、モバイル機器とか様々な専用機器の組み込みCPUとしての採用例は多かったと思える。

 数十年前に「電子立国日本の自叙伝」なる番組を作り、正に世界の半導体の半数以上のシェアを誇ったわが国だが、結局メモリーICなどに注力し、独自のCPU開発できなかったのが、凋落の大要因だと思えている。そもそも、世界最初のCPUたるインテルi4004の開発製造の端緒から日本は関わり、その後もトロン・プロジェクトなどで、付加価値の低いメモリーICからCPU分野への野心を大手電機メーカーは考えていたはずだが、米国の圧力もあり潰されてしまったことは誠に残念なことだった。

 今回の買収額は4.2兆とも云われるので、今の青色と息の日本の大手電機メーカーには手が出せなかったというところだろうが、独自のCPUを持てない国の将来を思うと将来の希望が消えてしまった感がある。

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