1013 ふじあざみラインで大型観光バス横転 追記その7(事故車検証が始まる)
この事故のこと記すのは7回目となるが、下記にYoutubeで報じられている動画リンクと共に転載する。
記事では検証が「バスを製造したメーカーの施設で行われ」と云っているが、そうなると東海ふそう御殿場工場と云うことになる。そもそも、大型4社で御殿場に営業所を持つのはふそうだけなのだが、この整備業界のことを長く知る私の知見であるが、このふそう御殿場工場は、もともと自衛隊の戦車(当時は主力が74式の時代)に、ここでエンジンOHと最終単体での試験運転までが行われていたと聞き及んでいる。ただし、現在は新生三菱ふそうトラックバス(株)は全株式ダイムラー社に売却され社長もドイツ人のはずで、戦車の整備など重工の仕事とは切り離されているはずだ。自衛隊の戦車は三菱重工相模原製作所で製造されているが、そこかもしくはその協力工場で現在は行われているのであろう。
さて、右に転覆した事故バスだが、遠目には右側面のボデーにはさほど顕著な変型は見られない。ただし、側面窓はすべて割れ、その枠ごとボデーから脱落している様に見える。これが、死者を生み出す要因になったのであろう。
それと、前輪が右側におもいっきり切れている状態だが、事故の際運転者がここまで切ったとは考え難い。そもそも、速度5
、60キロを越えてステアリングを目一杯切れば、バスはロールオーバーしてしまう。これは、想像だが事故直前に運転者が曲がれないと切り増したこともあろうが、左前部をスコリア盛り上がりに乗り上げ、その衝突でさらに右に外部から切り増されたのだろう。
さて、この動画では、タイヤを外したところが写されているが、現車はドラム式ブレーキだ。最近バストラでもディスクブレーキ車は増えつつある様だが、とかくディスクブレーキは事故倍力作用がないため、効きが悪いというフィーリングもあり、なかなか大型車では普及が進まなかったということがある。
画像に写るドラムと、その内部の摩擦体であるシューは一瞬しか動画に写されていないのだが、ドラム外周の外側の方はペイント色(黒)が残るが、内側のシューが当たる部位のドラム外周はさび色で、それなりに高温となったことを示唆しているのではないだろうか。シューやドラム内面のヒートクラックの状態まで観察してみたいところだが、そういう視点で見れる者がいることを祈るばかりだ。
----------------------------------------------------
【詳報】「フェード現象」は起きていたのか 横転したバスを検証 事故直前、車体の異常伝える警告音鳴るー静岡・27人死傷観光バス事故
SBSnews6 2022/10/18
https://www.youtube.com/watch?v=h96SJFwW2nw
10月13日、静岡県小山町で観光バスが横転し27人が死傷した事故で、警察は18日、事故を起こしたバスの検証を行いました。事故直前、車体の異常を伝える警告音が鳴っていたことが捜査関係者への取材で新たに分かりました。
<中西結香記者>
「午前11時です。これからバスの車体の検証が始まります。バスは窓ガラスがなくなるほど大きく破損しています」
18日午前11時から始まった検証は、静岡県御殿場市のバスを製造したメーカーの施設で行われ、警察や技術者のほか、国交省の担当者者バス会社の社長らも立ち会いました。
13日、小山町の「ふじあざみライン」で起きた観光バスの横転事故では、1人が死亡、26人が重軽傷を負いました。
捜査関係者によりますと、事故直前、車体の異常を伝える警告音が鳴っていたことが新たにわかりました。この警告音が具体的に何を示すのかなどを確認するため、午前中には警報音が正常に鳴っていたかの確認が行われました。
<中西記者>
「検証が始まって3時間半が経過しました。今タイヤが取り外されました。これからフェード現象が起こっていたかが調べられます」
この事故で、逮捕されたバスの運転手の男(26)は「ブレーキが利かなくなった」と話していて、ブレーキに空気を送りこむシステムに異常がなかったかやタイヤを取り外して、ドラムなどに摩擦による変色があったかなど、フットブレーキの使い過ぎによって発生する「フェード現象」が実際に起こっていたかなどを調べたということです。
捜査関係者によりますと、運転手と添乗員が事故直前、バスを止めるためのやり取りをしていたことがわかっていて、警察では18日の検証に加え、ドライブレコーダーの解析などから、事故の原因を詳しく調べています。18日行われたバスの検証の詳細は次の通りです。
【午前】
▼外観や車内の損傷状況
▼シートベルトが機能していたか
▼警告ブザーが作動するかなどを確認しました。
【午後】
▼タイヤを取り外し、摩擦によって車輪の回転を止めるブレーキシューが正常に動くか
▼ブレーキシューやドラムに変色があるかーなどを調べました。
摩擦で色が変わっていればブレーキの使い過ぎによって発生する「フェード現象」の可能性が高いということです。また、ブレーキに空気を送り込むシステムに異常があった場合も機能しなくなるため、その確認もしました。18日の検証で事故の原因究明に大きく近づくとみられます。#LIVEしずおか 10月18日放送
#富士山バス事故 #事故現車の検証作業が始まる
この事故のこと記すのは7回目となるが、下記にYoutubeで報じられている動画リンクと共に転載する。
記事では検証が「バスを製造したメーカーの施設で行われ」と云っているが、そうなると東海ふそう御殿場工場と云うことになる。そもそも、大型4社で御殿場に営業所を持つのはふそうだけなのだが、この整備業界のことを長く知る私の知見であるが、このふそう御殿場工場は、もともと自衛隊の戦車(当時は主力が74式の時代)に、ここでエンジンOHと最終単体での試験運転までが行われていたと聞き及んでいる。ただし、現在は新生三菱ふそうトラックバス(株)は全株式ダイムラー社に売却され社長もドイツ人のはずで、戦車の整備など重工の仕事とは切り離されているはずだ。自衛隊の戦車は三菱重工相模原製作所で製造されているが、そこかもしくはその協力工場で現在は行われているのであろう。
さて、右に転覆した事故バスだが、遠目には右側面のボデーにはさほど顕著な変型は見られない。ただし、側面窓はすべて割れ、その枠ごとボデーから脱落している様に見える。これが、死者を生み出す要因になったのであろう。
それと、前輪が右側におもいっきり切れている状態だが、事故の際運転者がここまで切ったとは考え難い。そもそも、速度5
、60キロを越えてステアリングを目一杯切れば、バスはロールオーバーしてしまう。これは、想像だが事故直前に運転者が曲がれないと切り増したこともあろうが、左前部をスコリア盛り上がりに乗り上げ、その衝突でさらに右に外部から切り増されたのだろう。
さて、この動画では、タイヤを外したところが写されているが、現車はドラム式ブレーキだ。最近バストラでもディスクブレーキ車は増えつつある様だが、とかくディスクブレーキは事故倍力作用がないため、効きが悪いというフィーリングもあり、なかなか大型車では普及が進まなかったということがある。
画像に写るドラムと、その内部の摩擦体であるシューは一瞬しか動画に写されていないのだが、ドラム外周の外側の方はペイント色(黒)が残るが、内側のシューが当たる部位のドラム外周はさび色で、それなりに高温となったことを示唆しているのではないだろうか。シューやドラム内面のヒートクラックの状態まで観察してみたいところだが、そういう視点で見れる者がいることを祈るばかりだ。
----------------------------------------------------
【詳報】「フェード現象」は起きていたのか 横転したバスを検証 事故直前、車体の異常伝える警告音鳴るー静岡・27人死傷観光バス事故
SBSnews6 2022/10/18
https://www.youtube.com/watch?v=h96SJFwW2nw
10月13日、静岡県小山町で観光バスが横転し27人が死傷した事故で、警察は18日、事故を起こしたバスの検証を行いました。事故直前、車体の異常を伝える警告音が鳴っていたことが捜査関係者への取材で新たに分かりました。
<中西結香記者>
「午前11時です。これからバスの車体の検証が始まります。バスは窓ガラスがなくなるほど大きく破損しています」
18日午前11時から始まった検証は、静岡県御殿場市のバスを製造したメーカーの施設で行われ、警察や技術者のほか、国交省の担当者者バス会社の社長らも立ち会いました。
13日、小山町の「ふじあざみライン」で起きた観光バスの横転事故では、1人が死亡、26人が重軽傷を負いました。
捜査関係者によりますと、事故直前、車体の異常を伝える警告音が鳴っていたことが新たにわかりました。この警告音が具体的に何を示すのかなどを確認するため、午前中には警報音が正常に鳴っていたかの確認が行われました。
<中西記者>
「検証が始まって3時間半が経過しました。今タイヤが取り外されました。これからフェード現象が起こっていたかが調べられます」
この事故で、逮捕されたバスの運転手の男(26)は「ブレーキが利かなくなった」と話していて、ブレーキに空気を送りこむシステムに異常がなかったかやタイヤを取り外して、ドラムなどに摩擦による変色があったかなど、フットブレーキの使い過ぎによって発生する「フェード現象」が実際に起こっていたかなどを調べたということです。
捜査関係者によりますと、運転手と添乗員が事故直前、バスを止めるためのやり取りをしていたことがわかっていて、警察では18日の検証に加え、ドライブレコーダーの解析などから、事故の原因を詳しく調べています。18日行われたバスの検証の詳細は次の通りです。
【午前】
▼外観や車内の損傷状況
▼シートベルトが機能していたか
▼警告ブザーが作動するかなどを確認しました。
【午後】
▼タイヤを取り外し、摩擦によって車輪の回転を止めるブレーキシューが正常に動くか
▼ブレーキシューやドラムに変色があるかーなどを調べました。
摩擦で色が変わっていればブレーキの使い過ぎによって発生する「フェード現象」の可能性が高いということです。また、ブレーキに空気を送り込むシステムに異常があった場合も機能しなくなるため、その確認もしました。18日の検証で事故の原因究明に大きく近づくとみられます。#LIVEしずおか 10月18日放送
#富士山バス事故 #事故現車の検証作業が始まる