私の思いと技術的覚え書き

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関越自動車道バス事故について

2012-05-13 | 技術系情報
 4月末に関越自動車道で生じたバスの防音壁への衝突事故については、7名の死亡者と多数の負傷者を生じました。それを裏付けるが如く、同事故によるバスボデーの変形は、未だ見たことがない程凄まじいものです。

 本件事故は、高速道路のガードレールが防音壁に切り替わるヶ所で生じたらしく、どうやら最初はガードレールに当該バスが擦り付ける様に衝突し、ガードレールを押し込み、ガードレールが比較的低い背丈ののため、バスは左傾しつつ防音壁端部にバスの左端から1/3程度の部分を衝突させたものと見受けられます。この結果、連続した防音壁は、バス車内の2/3以上という深部にまで進入し、左側席の搭乗者を中心に死亡もしくは重傷者多数が発生したのであろうと想像します。

 この事故の衝突で不幸だったのは、バスボデーで大きな上下曲げや衝突の剛性力を発揮すべきサイドパネル(側面窓下部)がほとんど変形せぬまま衝突が生じてしまったことと思えます。ですから、防音壁はあたかも巨大なナタの様にバスの床を後部に向かって長く切り進んでしまったのでしょう。

 ところで、今回の様なツアーバスの運行事業は、法律上は一般貸切旅客自動車運送事業という名称で、各種法令で規制され事業が行われています。その法令の中に、同事業者毎に運行管理者を選任し、出発時および帰着時の点呼を行うと云うのがあるはずです。同点呼により運行管理者は運転者の酒気を含め過労の具合などを確認し、安全と判断された場合のみ運行を許可することになっているのです。しかし、今回の事故原因が過労による居眠り運転の様子であることが報道されていますが、かなりお座なりな形ばかりの点呼がなされていたのではないか(点呼そのものが未実施も含め)とも想像されてしまうのです。



 


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