私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

様々な事件と意見に感じる

2018-06-15 | 事故と事件
 このところ新幹線に関わり事件が続いている。
 一つは、車内で無差別にナタを振り回し、一人を殺害するという事件で、犯人の顔はあどけなくも見え、なんとも信じがたい事件だ。精神疾患で通院していたことが報道されているので、病んでいたのかとしか想像できぬが、自殺者は近年やや下降気味とはなったというものの多くが存在しており、この国自体の病みを表しているのかもしれぬ。

 もう一つは、昨日の午後生じたという、JR西日本の人はねてしばらく走る事件(下記)が報道されていたことだ。昨今は、Netニュースにコメント欄があって、様々な感想なり意見が記される時代になっている。ちらりと見たコメントに、鳥などの衝突は多頻度に生じており、高速走行中に人がぶつかっても判る訳ないだろうみたいな意見があった。どうも違和を感じつつ、報道の該当車両先端の損傷写真と合わせて思考してみた。

 仮に人の体重を55kg静止状態、新幹線16両編成(GVW600t)で速度250km/hだと仮定して、衝突したとする。物体同士の衝突は、運動エネルギーの交換を行う訳だが、今回の様に極端な重量差があれば、人が一方的に運動エネルギーを受けて加速されるだけだろう。すなわり、人は剛体ではないから変形しつつ、極短時間(0.1secと仮定する)で速度250km/hmまで加速されると。その速度変化の加速度(G)は78Gに達する。しかも、この0.1secと短い時間だが平均Gであって、グラフ化すれば急激に加速しピークを迎え下降するという波形になるから、これも仮に正弦波(sin波)とすれば、ピークGは1.4倍の109Gとなる。従って、この人体に生じる過重は6t近くに達したと推定できる。このことは、700系の先端ノーズカバー(FRP製だろう)の損傷からも違和感ないと思う。鳥みたいに、数百gのものと、人体の55kgとではあまりに異なる過重であり、減速感はないにしても、その音の大きさに格段の差があるはずで、この異常に気付かないとしたら、運転手は不要であろう。実際、不測の事態がない限り、新幹線は無人運行が可能な機能を有しているのだから。
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のぞみの先頭破損、内部から人体…異音後も走行 6/14(木) 17:46配信 読売新聞

破損したボンネット部分を取り外し、車両を調べる作業員(14日午後8時18
分、JR新下関駅で)=山田裕子撮影

 14日午後、JR山陽新幹線の小倉駅(北九州市)を出発した博多発東京行き「のぞみ176号」(700系、16両編成)の先頭車両のボンネットが破損しているのがわかり、緊急点検の結果、ボンネット内部から人体の一部が見つかった。運転士は博多(福岡市)―小倉間で異音に気付いていたが、点検をせず、新下関駅(山口県下関市)まで走行を続けていた。昨年12月の新幹線台車亀裂問題を受け、JR西日本は異変を察知すれば運行を止め、安全確認する方針を示したばかりだった。

 山口県警下関署やJR西などによると、午後2時10分頃、小倉駅を発車したのぞみ176号の先頭車両のボンネットが破損しているのを、すれ違った新幹線の運転士が発見。次の新下関駅で車両を緊急点検したところ、ボンネットは先端が大きく割れ、内部から性別不明の人の胴体の一部と腕などが見つかった。先頭車両の表面には血のようなものも付着していた。


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