先日、とある所で見た名も知らぬクラシックカーの写真を掲載して見ます。
ラジエーターグリル付近のバッジから、どう?やらかつての自動車大国である大英帝国のクルマであろうことが伺われます。そして、グリルエンブレムの中央部には、Rileyの文字が読み取れます。これが、あの、名前だけを知るライレーというクルマなのかと判った次第です。
ネットで若干調べたところによれば、ライレー社は1890年頃に起業した古参メーカーですが、英国経済の斜陽と共に、最終的にはBLMC(British Leyland Motor Corporation)の1ブランドとなり、消え去ったものの様です。(ミニと同様に現在はBMWが商標権を持っている様です。)
写真のライレーの型式や年式はまったく不明ですが、多分1940年代後半から1950年代の前半辺りのクルマなんだろうと思います。
何処のどなたかのクルマかも知れず、ドア等を開けたりして細部を観察することも適いませんが、外観から伺えるドアサッシ内側は明らかに木製の様です。これが、今や超年配となってしまったか亡くなってしまった昔の板金職人さん達に聞いた、木製の骨組みに板金成形した鋼板が張られて作られた木骨ボデーなるクルマなのだと云うことが判ります。
我が国でも、昔のトラックの運転台等は、自動車メーカーで作られずに、町の板金業者によって作られていたのですが、その運転台の骨組みはほとんど木骨だったそうです。
木骨ボデー車が、事故で酷く損傷したり、古くなって木製部分が腐蝕した場合、木骨の骨組みから作り直す必用がある場合もあったのであろうと思います。そんな時代の自動車職人の中には、木骨専門の職人さんとして、「自動車大工」と云われる方が居て活躍されたんだそうです。
この木骨ボデー車ですが、今でも英国のモーガン社が生き残っており、少量生産を続けている様です。