最近、新聞広告で古いワープロ専用機(NEC、シャープ、富士通等)の販売広告が掲載されているのを見て、ちょっと驚きを感じてしまいました。これらワープロ専用機は、約20年位以前のパソコンの黎明期に登場したもので、その中身はパソコンと同様ですが、機能をワープロ専用機として特化したものであったものです。
そんなワープロ専用機でも、当時の周辺機器やソフトウェアを合わせると高価なパソコンより低価格であり、操作も専用機として判り易いということで、結構なファンがいたのだと思います。確かに、私がパソコンを使い始めた20年程以前では、周辺を見回すと文書作成にパソコンを使用している方より、圧倒的にワープロ専用機を利用している方の方が多かった思い出があります。
しかし、今や十分低価格化したパソコンに対抗できるワープロ専用機を何処のメーカーも開発しません。パソコンのい方が、ソフト、ディスプレー、プリンターの組み合わせ次第で、ユーザーの使い勝手も自在ですし、文書への画像の組み込みや、インターネットを介した通信が当たり前に出来る等と利便性も良好ですから当然のことと思います。
そんな現在にあって、古いワープロ専用機をレストアして、約10万円近い結構高価な価格で販売広告を出しているのを見ますと、そんな古い機械を今でも使う方々がいるんだなあと関心せざるを得ません。
私も、古いものを長く使い続けることの良さを理解しますし、特に嗜好品の類の品々を愛する人々の気持ちは十分理解できるところです。しかし、時代の変化に、対応出来なさ過ぎるのも、困ったものだとも感じてしまいます。
追記
かつて、日本のパソコン市場を席巻していたNEC社のPC98シリーズですが、今でも小規模も工場機械の制御用に利用されている場合があり、先のワープロと同様に補修用の需要がある用です。
また、大企業の基幹オンラインシステムとしてのコンピューターシステム(メインフレーム)ですが、今でも、小規模の地方銀行や小規模の保険・証券会社等では、数十年前の陳腐化したシステムを保守しながら動かし続けているのだと思います。これら企業群にとっては、時代がこれだけIT化し、何とか基幹システムの再構築をしたいとは思うものの、長引く経済不況下の中、泥縄式に目先の問題にのみ対応せざるを得ないのでしょう。