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イタルダ・交通事故国際比較からの6国の比較

2023-06-26 | コラム
イタルダ・交通事故国際比較からの6国の比較
 イタルダ((財)交通事故総合分析センター)は、交通事故の様々な統計分析が発表されている。その中で、国際比較というジャンルで現在最新は2020年度版として掲載されているデータから目に付く情報をお伝えする。なお、同リンクは以下だが、データ(pdfなど)のダウンロードには、会員登録(無料)が必用だ。
https://www.itarda.or.jp/materials/international/free

 この国際比較だが、日本を含め、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、韓国の6国を中心に、交通事故の死者数、負傷者数、人口、車両保有台数、道路延長km、自動車走行キロ(億キロ)などのデータがまとめ(2020年データで9ページ)られ、興味深いデータとしてまとめられている。感心ある方は、上記リンクより会員登録され、眺めて見る価値はあるだろう。

 ここでは、先の6国の死者数についてと、3枚目の表では先の6国+欧州4国の合計10国の交通事故諸数値が一覧表として掲載されているので抜き出して転載させて戴く。

交通事故死者数の推移
 これは添付図1と2の2枚を付すが、日本を含め合計6国の死者数の推移として2000年~2020年の推移をグラフと表で実数を表している。ここで、驚くのはアメリカとその他の国では、大きく乖離していることだ。


 2020年のアメリカの死者数は約39千人、日本は約3400人と大きな格差がある。もちろん、人口や保有台数など、大きな格差があるのだが、添付図1では、アメリカ以外の国がこの20年間死者数が漸減しつつある傾向では共通すのに対し、アメリカでは変動はあるものの、そういう傾向は見られない。また、添付図2枚目の人口10万名当りの死者数でも、アメリカはトップで11.8人と、日本の2.7人の4倍を超える。

 これについて、世界各国では、この30年くらいの間に、パッシブセーフティとかアクティブセーフティとして、衝突安全ボデー、エアバッッグ、ABS、ESCなどの標準装着が進み、道路環境も交通信号の増設とかそれなりに交通環境面でも安全性を普及して来た。また、この20年くらいの中で、自動運転への序曲としてのASV(先進安全車)として、AEB(衝突軽減ブレーキ)とかACC(アダプティブクルーズコントロール)などが普及しつつある。こういうことも功を奏して死亡者減少方向となっているのだと思うが、米国にはあまりその効果が見られない。一方、ASVなど、自動運転の発案たる気運は、米国のIT企業だとか、新興車両メーカーテスラ社だということがあるのだが、どうしてこういう実態になるのだろうか。

 ここからはあくまで私見となるが、アメリカという国の様々な歪さが現れているという気がしないでもない。その一つは格差の拡大だ。つまり極僅かの超富裕者と圧倒的多数の貧困者という姿があるのではないだろうか。それと、国内総生産における軍事費の割合が多すぎるのではないだろうか。先の大戦後、世界で局地的戦火が絶えることはないが、何時の場合も直接もしくは間接的にアメリカが関わって来て、アメリカの軍事支出は相当なウェイトを持つだろうことは想像できる。ちなみに、公式データとしては米国軍事費のGDP比は3.5%、日本は1%(これも岸田政権のままで行くと早晩2%を超える)だというが、真の実態はアメリカの覇権を統制する準軍事費を考慮すれば、これ以上あるのではないか。また、崩壊したソ連の軍事費はGDP比20%だったということを聞いている。

 このデータには残念ながら中国は含まれていないのだが、今や年間自動車生産車数で米国の2.6倍と世界最大の生産し、人口も多い中国では、保有台数も急上昇しているのだろう。その前提で交通事故の増加は凄まじいのだろう。


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