今次病変の創出の国、中国だがいち早く病変収束の宣言をした。(内容的には怪しいが)
そこで、世界GDPNo2の中国が、早期に復活できるのかを、経済素人の目から眺め想像してみよう。
現在の工業生産もしくは製造物には、エネルギーもしくは樹脂などの原料として石油は欠かせない。中国も石油の輸入大国である。しかし、その石油より桁違いに多くを頼っているのが半導体なのだ。以前の他の記事でも記したが、世界生産の総半導体40兆円の半分を中国は輸入に頼っているのだ。つまり、中国の半導体産業そのものは、世界ランキングにも入らないほど下位の技術しかないのだ。
では、この半導体として、MPUやメモリーを作る場合の基礎技術はどんなものがあり、何処の国が強いかを拙人が知れる範囲で記して見よう。
まず、MPUやメモリーなどのLSI(大規模集積回路)の製造には、基材となるシリコンウエハー上に回路を工学的に焼き付ける工程がある。ここで、シリコンウエハーの世界シェアだが、我が国の信越化学などの国内企業が世界の60%のシェアを持っている。次にシリコンウエハ上に微細な回路を光学的に焼き付ける露光装置があり、かつては我が国のニコンだとかキャノンのシェアが高かったのだが、現在はオランダのASMLにダントツのシェアを持っているそうだ。
また、露光の際に、レジストという高純度薬品を使うが、ここでは日本のシェアが極めて高い。また、高純度フッ化水素や高純度フッ化ポリイミドという洗浄用の物質のシェアも我が国が強い。これらは、数年前より日韓貿易問題で、韓国に対し戦略的輸出制限を我が国は行っており、サムソンなどの韓国メーカーに打撃を与えている。拙人が聞きかじった知識によると、高純度でなければ、日本以外からも入手可能だが、純度が下がるほど、製造の歩留まり(不良品ができる率)が悪化してしまうと云う。
また、韓国のLG電子などは液晶パネルの製造に強いのだが、やはり先のレジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミドの高純度さが製品の歩留まりに与える影響が大きいという。そして、液晶パネルには、偏向フィルターが必要になるが、この分野でも、我が国の富士フィルムなどの製品が欠かせない。
中国の問題にまずは韓国のことを記したが、中国の半導体産業は、この韓国の技術以下にあることを示したいがためだ。また、中国は覇権主義であるので、韓国を台湾を属国化して行き、半導体作業を強化する戦略を具体化させることも考えられるが、米国は手を焼く韓国を手放すことはあっても、絶対台湾を手放すことはあり得ないだろう。
今、米中は戦争前の状態とも云える状況に入って来た。ファーウェイ、ZTE、ハイシリコンなどの中国新興電子企業も、石(LSI)の自前調達ができない単なる組み立てメーカーであるので、輸出を止めれば簡単に潰れるだろう。但し、米国としても輸出によって高利益を確保しているメーカーがあることと、中国派遣の浸透が図られていることから、反抗の動きも出ては来るだろうが、トランプの再任が得られれば方向は変わらないだろう。
ここで、我が国が中国とどう手を切っていくかと云うことだが、今次病変で露呈した如く、あまりに中国に忖度する政治家、官僚、大企業経営者共が多いことを杞憂するのだが。しかし、米国が明確な意志を示せば、米国と中国どちらを優先せねばならぬかの二者択一を迫られれば、残念ながら日本はアメリカの属国であり逆らい様がないのだ。
ちょっと回り道が長かったが、結論としては、特に付加価値製品における中国製造は著しく後退せざるを得ないだろう。つまり。中国は100円ショップで売っている様な商品に生き残りを掛けるしかなくなり、およそ30年前の産業状態に戻ると云うのが私見なのだが・・・。
但し、米中貿易戦争と、武漢肺炎責任追及の過程で、中国共産党の暴発から戦争を経て、中国が完全に民主化できたとすれば、20年後には復帰できる可能性もあるのかもしれない。