群馬・渋川タイヤ脱落・歩行者重傷事故の小分析
既報の1/12昼・渋川市の国道17号で生じた大型車のタイヤ脱落事故だが、タイヤが転動していく動画などが公開されたりして、事故の詳細がある程度明らかになったところで小分析してみたい。
車両は、既報したとおり大型ダンプで、左後後輪のダブルタイヤ2本が脱落し、減速して路肩に寄ったダンプに先行して転動していく様子が撮影されている。
動画では2本のタイヤは、やや離れて平行して転動しているが、内側タイヤが中央分離帯(高さ15cm程だろう)を乗り越え反対車線を斜めに横断し、松原バス停の20m程先の歩道で歩行者に負傷させた様だ。。
ダンプのタイヤが脱落した正確な位置は必ずしも明確ではないが、上部を関越自動車道が通過している高架下辺りで脱落したと推察される。となると、負傷歩行者の位置まで、およそ400mを転動したと云うことになる。
なお、これも予想どうりタイヤの装着はIS0方式で、締結本数増本およびPDC拡大したものだが、左側も右ネジであることとダブルタイヤも2本が共締めという点は緩みがあると、それが進行し易いだろう。
事故現場はやや進行方向より右カーブになっており、締結ナットが脱落したタイヤは速やかに車体から離脱し易い環境にあったと思える。
それと、ここには載せていないが、搬送のためだろうが、脱落した後後輪の2本を装着した画像があるが、と云うことは該当車の締結スタッドボルトはほとんど痛みがなかったと想定できる。つまり、ホイールナットが緩み走行を続けると、該当スタッドボルトは強いせん断荷重を受けつつ破壊するのだが、その破壊がほとんど進んで居なかったと理由付けられる様に考える。すなわち、冬用タイヤへの付け替えから、幾らも走行しない中で、今回のタイヤ脱落が生じている様に考えられる。
もしかするとで、あまり想定もしたくない話しだが、タイヤ交換施行工場ではホイールナットを仮締め程度の極弱い締め付けのまま、全輪の締め付けトルクのチェックもせずに完了させていた可能性を疑う。
※筆者は元損害保険の調査員であるが、自管賠保険(自動車管理者賠償責任保険)などで、幾多の対応損害を契約整備工場などに対し調査して来たが、整備受託中に整備を終え車検場への検査運行などをしようと、工場からものの1キロも走行していない中でタイヤが脱落し、幸い他人や物には損害はないが、受託車事態のフェンダーなどを損壊する事故という呆れた事故は実際ありえることを知見してきた。ただし、これは一般乗用車の場合だったから大事にならずに済んでいるが、GVWが巨大な大型車であると極めて危険な事象となり得る。
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【前回記事】
またトラックタイヤ脱落・歩行者重傷
昨日(1/12)昼0:30頃、群馬県渋川市の国道17号線でトラックのタイヤ2本が外れ転動し、その内の1本が歩行者を直撃して重傷だという。
写真とか事故現場の状況は報じられていないが、下記の記事から以下のことが読み取れる。
①該当トラックは前2輪、後ろ4輪(2軸)で、焼き砂を運送中と記してあるので、ダンプ車であろう。
②脱落したのは左側後輪の冬用タイヤ2本と記してあるが、後前軸か後後軸のタイヤか不明だが、多分2本同時に脱落したと云うことは、旧来型車のインナーアウターのタブルナットによる取り付け車ではなく、ISO方式の2本を同時に共締めするものであろうと想像できる。
③冬用タイヤ2本が脱落したと云うことは、比較的最近(長く想像しても、この2ヶ月くらいに内)に夏用タイヤから冬用タイヤに付け替えたと想像できる。
となると、このタイヤ交換を何処で施行したのかと云うことが、かなり問題になってくると思える。たぶん、担当警察では、余程ボンクラでない限り、その辺りの聴取と捜査を始めており、場合によればタイヤ交換の施工者を送検などする可能性があるだろう。
なお、歩行者の損害だが、自賠責保険および任意保険に加入しているだろうから、そこから賠償金は支払われる。ただし、第3者たるタイヤ交換施行者に刑事罰など責任があるとなると、任意保険会社は、損害を代位求償してくる可能性がある。また、タイヤ施行者が、いわゆる生産物賠償保険に加入していれば、その場合そこから求償受けた費用は支払われる。
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大型トラックのタイヤが直撃、歩道の男性重傷 走行中に脱落し、500メートル先へ転がる
上毛新聞 1/13(木) 6:03配信
12日午後0時半ごろ、群馬県渋川市半田の国道17号を走行していた榛東村長岡、会社員の女性(46)の大型トラックから突然、タイヤ(直径約1メートル)2本が外れ、転がった1本が歩道を歩いていた近くのアルバイトの男性(45)にぶつかった。男性は大動脈解離やあばら骨を折る重傷。女性にけがはなかった。
渋川署によると、大型トラックは前輪タイヤが左右1輪ずつ、後輪が同2輪ずつ付いていた。走行中に左側後輪の冬用タイヤ2本が外れ、1本が中央分離帯や反対車線を越え、約500メートル先の歩道まで転がり、男性に衝突したという。現場は片側2車線で、歩道にはガードレールなどはなかった。女性は焼き砂を運ぶ業務の途中で、同乗者はいなかった。同署が詳しい事故原因を調べている。
既報の1/12昼・渋川市の国道17号で生じた大型車のタイヤ脱落事故だが、タイヤが転動していく動画などが公開されたりして、事故の詳細がある程度明らかになったところで小分析してみたい。
車両は、既報したとおり大型ダンプで、左後後輪のダブルタイヤ2本が脱落し、減速して路肩に寄ったダンプに先行して転動していく様子が撮影されている。
動画では2本のタイヤは、やや離れて平行して転動しているが、内側タイヤが中央分離帯(高さ15cm程だろう)を乗り越え反対車線を斜めに横断し、松原バス停の20m程先の歩道で歩行者に負傷させた様だ。。
ダンプのタイヤが脱落した正確な位置は必ずしも明確ではないが、上部を関越自動車道が通過している高架下辺りで脱落したと推察される。となると、負傷歩行者の位置まで、およそ400mを転動したと云うことになる。
なお、これも予想どうりタイヤの装着はIS0方式で、締結本数増本およびPDC拡大したものだが、左側も右ネジであることとダブルタイヤも2本が共締めという点は緩みがあると、それが進行し易いだろう。
事故現場はやや進行方向より右カーブになっており、締結ナットが脱落したタイヤは速やかに車体から離脱し易い環境にあったと思える。
それと、ここには載せていないが、搬送のためだろうが、脱落した後後輪の2本を装着した画像があるが、と云うことは該当車の締結スタッドボルトはほとんど痛みがなかったと想定できる。つまり、ホイールナットが緩み走行を続けると、該当スタッドボルトは強いせん断荷重を受けつつ破壊するのだが、その破壊がほとんど進んで居なかったと理由付けられる様に考える。すなわち、冬用タイヤへの付け替えから、幾らも走行しない中で、今回のタイヤ脱落が生じている様に考えられる。
もしかするとで、あまり想定もしたくない話しだが、タイヤ交換施行工場ではホイールナットを仮締め程度の極弱い締め付けのまま、全輪の締め付けトルクのチェックもせずに完了させていた可能性を疑う。
※筆者は元損害保険の調査員であるが、自管賠保険(自動車管理者賠償責任保険)などで、幾多の対応損害を契約整備工場などに対し調査して来たが、整備受託中に整備を終え車検場への検査運行などをしようと、工場からものの1キロも走行していない中でタイヤが脱落し、幸い他人や物には損害はないが、受託車事態のフェンダーなどを損壊する事故という呆れた事故は実際ありえることを知見してきた。ただし、これは一般乗用車の場合だったから大事にならずに済んでいるが、GVWが巨大な大型車であると極めて危険な事象となり得る。
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【前回記事】
またトラックタイヤ脱落・歩行者重傷
昨日(1/12)昼0:30頃、群馬県渋川市の国道17号線でトラックのタイヤ2本が外れ転動し、その内の1本が歩行者を直撃して重傷だという。
写真とか事故現場の状況は報じられていないが、下記の記事から以下のことが読み取れる。
①該当トラックは前2輪、後ろ4輪(2軸)で、焼き砂を運送中と記してあるので、ダンプ車であろう。
②脱落したのは左側後輪の冬用タイヤ2本と記してあるが、後前軸か後後軸のタイヤか不明だが、多分2本同時に脱落したと云うことは、旧来型車のインナーアウターのタブルナットによる取り付け車ではなく、ISO方式の2本を同時に共締めするものであろうと想像できる。
③冬用タイヤ2本が脱落したと云うことは、比較的最近(長く想像しても、この2ヶ月くらいに内)に夏用タイヤから冬用タイヤに付け替えたと想像できる。
となると、このタイヤ交換を何処で施行したのかと云うことが、かなり問題になってくると思える。たぶん、担当警察では、余程ボンクラでない限り、その辺りの聴取と捜査を始めており、場合によればタイヤ交換の施工者を送検などする可能性があるだろう。
なお、歩行者の損害だが、自賠責保険および任意保険に加入しているだろうから、そこから賠償金は支払われる。ただし、第3者たるタイヤ交換施行者に刑事罰など責任があるとなると、任意保険会社は、損害を代位求償してくる可能性がある。また、タイヤ施行者が、いわゆる生産物賠償保険に加入していれば、その場合そこから求償受けた費用は支払われる。
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大型トラックのタイヤが直撃、歩道の男性重傷 走行中に脱落し、500メートル先へ転がる
上毛新聞 1/13(木) 6:03配信
12日午後0時半ごろ、群馬県渋川市半田の国道17号を走行していた榛東村長岡、会社員の女性(46)の大型トラックから突然、タイヤ(直径約1メートル)2本が外れ、転がった1本が歩道を歩いていた近くのアルバイトの男性(45)にぶつかった。男性は大動脈解離やあばら骨を折る重傷。女性にけがはなかった。
渋川署によると、大型トラックは前輪タイヤが左右1輪ずつ、後輪が同2輪ずつ付いていた。走行中に左側後輪の冬用タイヤ2本が外れ、1本が中央分離帯や反対車線を越え、約500メートル先の歩道まで転がり、男性に衝突したという。現場は片側2車線で、歩道にはガードレールなどはなかった。女性は焼き砂を運ぶ業務の途中で、同乗者はいなかった。同署が詳しい事故原因を調べている。