もう昨年の話になるが、ある店に食事に行った時の事。
いくつかの料理の後半に出てきたのがこの料理。
この肉はエゾシカの肉との説明だった。
エゾシカと聞いてイメージするのは、北海道、臭くないか、硬そうというイメージしかなかった。
食べてみると、においは全く感じず、とても柔らかい美味しい肉だったのだ。
さすが、メインで出てくるだけに、美味しい。
エゾシカと聞いて、一緒にいた方が「北海道で異常に増えているいるらねぇ」と冗談のように言われたのだ。
いやぁ、まさか異常に増えているからと言って、そのエゾシカの肉がここに出てくる理由にはならんやろと、心の中で思っていた。
ところが、知り合いのシェフと話していた時にこの話をしたら、食材卸から北海道で増えているエゾシカを食材にしませんか?という提案を実際に受けるそうである。
本当の話だったのだ。
需要と供給の観点から言うと当たり前の事なのだが、自分が食べている時にはそんな事考えもしなかった。
どう料理するかは、シェフの力量にかかっている。
あの料理は目の前のものに付加価値を与える職人技だったのだ。
そう思うと、更に記憶に残る店のイメージも更に上がるもんだ。
素敵な店だった。