柚子の実の手玉に踊り出す故郷
ゆずのみの てだまにおどり だすこきょう
続秋雨。柚子が店先に並ぶ季節になった。国民学校の頃は裏富士の見える柚子の丘でよく遊んだものだ。ガリ版擦りの校誌に初めて乗った柚子の作文を思い出す。ri
立冬や民喜ばすアスリート
りっとうや たみよろこばす アスリート
昨日の立冬。終日の驟雨に籠城。夕方からは各種スポーツをTV実況で楽しみ冬季到来を忘れていた。①瘢痕に逆転勝ちしてリオ五輪出場券を手にした7人制ラグビー ②世界野球プレミア12予選で韓国を零封。③九州場所の開幕etc。
山茶花の総義歯の顔綻ばせ
さざんかの そうぎしのかおおころばせ
未明からの小雨なのにそれ程冷え込まない。乾きめの咽喉と目には歓迎だ。庭先の白山茶花が裾廻りを真白の花で飾りつけた。暫くは一気に咲きあがる力を蓄えているのだ。
山山の音立て落ちる紅葉かな
やまやまの おとたておちる もみじかな
何時しか街の彼方此方が紅葉まみれ出した。夕映えの紅葉山は肩組み合い、どすんどすんと足踏み鳴らして転がり落ちて来たのだ。明日辺りから雨の予報に晩秋の気配が迫る。
三箇処の受賞が狙い菊作り
さんかしょの じゅしょうねらい きくづくり
菊花展が続いている。菊づくり者の挑戦は複数の菊花展を乗りついでの受章に在ると聞く。長年の経験に基づく栽培術と好天と万運を今年も狙う知人である。
合掌の渡る城址や菊香る
がっしょうの わたるじょうしや きくかをる
市内中学校の合掌コンクールが文化会館であった。時間待ちの城址公園には練習に余念ない生徒が溢れ、片や城址内の菊花展会場からは菊の仄かの香りが流れていた。
来年は傘寿の妻や祝ぐ小菊
らいねんは べいじゅのつまや ほぐこぎく
今日79歳になった妻。赤飯の朝飯後は家事を済ませ、折りからの菊花展会場の小菊の前で記念写真。来年の今日は大輪菊の前でパチリだ。午后の一時は常の如くジムで過ごす。
駅伝の道に身を置く文化の日
えきでんの みちにみをおく ぶんかのひ
昨日とは真逆の秋晴れ。New Year駅伝2015の東日本実業団予選を深谷地とTVで観戦する。埼玉県庁前ー深谷駅ー熊谷陸上競技場のコース。1位;Hondaは競技場内で逆転、2位;日清食品、3位;DeNA。激戦だった。来年元旦の本番が楽しみだ。
一時の二人三脚炬燵組む
いっときの ににんさんきゃく こたつくむ
12月並みの急襲冷雨。通常通り7時半には朝食を済ませ時良しと炬燵を組む。これも終活の一つと老妻に手順を教えながら一時間余を費やす。終って差し向かいの一腹にホッ!
霜月の先ずは洗濯日和かな
しもつきの まずはせんたく びよりかな
曇り続きの10月末が一変して、朝から穏やかに晴れた今日は11月朔日。何処の家も先ずは溜濯物が軒を飾る。人々はハロウィーンの熱気も覚めて紅葉の山に目を向ける。