微熱、咳、痰は急性上気道炎、気管支炎、肺炎などが鑑別になる。
急性上気道炎や気管支炎ではアセトアミノフェンなどの投与のみで自然軽快することが多いが、肺炎は重症化しやすいし高齢者の肺炎は予後が不良である。
100年以上前に活躍した、臨床医学の父のウイリアム・オスラー先生(米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部創設者)は「肺炎は老人の友」と述べた。
その頃は肺炎が老人の死期をもたらすものとして受け入れられていたのである。
しかし、現在医学では肺炎は治療可能な疾患となっている。
ただし、早期の抗菌薬投与(できれば救急受診時より4時間以内)が望ましい。
この症例は肺炎であり、早期の救急室受診が望まれる。
その根拠はデルタ脈拍数20ルールを適応することから言える。
デルタ脈拍数20ルールとは「体温が摂氏1度(1℃)上昇ごとに脈拍数が20/分以上増加しているときには細菌感染症の可能性が大きい」である。
この症例の場合、ベースラインの脈拍と比べて今回の脈拍数はかなり大きい。
「脈拍数60上昇/体温2.0上昇=30」であり、⊿脈拍数/⊿体温>20となることから、細菌性肺炎として扱った方が安全である。
実際、この症例はその後救急室受診し、誤嚥性肺炎の診断で抗菌薬(アンピシリン・スルバクタム)が迅速に投与され、入院加療で軽快した。
この症例のように、微熱でも重症のこともある。
むしろ、脈拍数や呼吸数が重症度の指標となるのである。
写真:沖縄本島中部、読谷村の海岸
これを実践するだけで、楽しく食事をして、健康的に若々しく、やせることができます。高血圧や糖尿病も予防するので、コロナウイルスにもかかりにくくなると思います。「病気にならない食事の極意」よろしくお願いします。
群星沖縄臨床研修センターのホームページです。沖縄の基幹型8研修病院での研修医教育に貢献しています。
マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。
一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。
徳田安春・公式ツイッター
https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda
健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。
好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。
健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。
徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。
科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2021のジャンル別賞の健康部門3位を受賞しました。
「こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。