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デルタ脈拍数20ルールとは?

2022-03-11 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 

微熱、咳、痰は急性上気道炎、気管支炎、肺炎などが鑑別になる。

 

急性上気道炎や気管支炎ではアセトアミノフェンなどの投与のみで自然軽快することが多いが、肺炎は重症化しやすいし高齢者の肺炎は予後が不良である。

 

100年以上前に活躍した、臨床医学の父のウイリアム・オスラー先生(米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部創設者)は「肺炎は老人の友」と述べた。

 

その頃は肺炎が老人の死期をもたらすものとして受け入れられていたのである。

 

しかし、現在医学では肺炎は治療可能な疾患となっている。

 

ただし、早期の抗菌薬投与(できれば救急受診時より4時間以内)が望ましい。

 

この症例は肺炎であり、早期の救急室受診が望まれる。

 

その根拠はデルタ脈拍数20ルールを適応することから言える。

 

デルタ脈拍数20ルールとは「体温が摂氏1度(1℃)上昇ごとに脈拍数が20/分以上増加しているときには細菌感染症の可能性が大きい」である。

 

この症例の場合、ベースラインの脈拍と比べて今回の脈拍数はかなり大きい。

「脈拍数60上昇/体温2.0上昇=30」であり、⊿脈拍数/⊿体温>20となることから、細菌性肺炎として扱った方が安全である。

 

実際、この症例はその後救急室受診し、誤嚥性肺炎の診断で抗菌薬(アンピシリン・スルバクタム)が迅速に投与され、入院加療で軽快した。

 

この症例のように、微熱でも重症のこともある。

 

むしろ、脈拍数や呼吸数が重症度の指標となるのである。

 

 

写真:沖縄本島中部、読谷村の海岸

 

 

 

これを実践するだけで、楽しく食事をして、健康的に若々しく、やせることができます。高血圧や糖尿病も予防するので、コロナウイルスにもかかりにくくなると思います。「病気にならない食事の極意」よろしくお願いします。

 

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